雑記

__blurry_のおぼえがき

10/22

できたこと

  • 早起き
  • ラジオ体操
  • ランニング
  • コットンの買い足し
  • 灯油の補充

雑感

日常の前景化

 終業時点で雨がちょうど止んだところだったのでランニングに出かけたのだが、その際ついでにいくつかの用事を済ませたいと思い、普段とはランニングコースを逆に辿ることにした。

 ランニングコースの光景をことさらに意識することは少ない。道であり、一周の負荷がちょうどよい以上の理由でコースを決めることはない。それゆえ、コースの景色というものが「あと何割」という指標以外の意味を持つことはこれまでに一度もなかった。

 しかし、今日逆向きに辿ってみたことで大きな変化が起きた。日頃はランニングの後半で息が上がっていてほとんど意識もできなかった風景を、かなりの余裕をもって走ったことで、新鮮に"風景"として意識しながら走ることができた。また、いつも一方向からしか見ていなかったものを、逆向きから眺め直すことで、その空間への解像度も大きく上がったように思う。

 ちょっとした偶然から日常のルーティーン一つに奥行きが生まれるというのはかなり面白い経験だった。次の引っ越し先でもランニングする際はいろんなルートを試したり、あるいは逆に辿ることで周辺地域への解像度を高めていこうと思う。こういう最小限のローカルを開拓することでしか見つからないものもきっとある。

ブロック

 3~4年前、好きなアカウントにブロックされたことをまだ覚えている。もともと相互だったのだが、その人がとあるコンテンツにハマったのを見かけて、それから間もなくブロックされたので、何らかのキーワードでフォロー内ツイート検索をかけた際、私の過去ツイートのどれかが逆鱗に触れた……という経緯であろう。

 人からブロックされると悲しい。それが好きだった人であればなおのこと。相互であったからさらになおのこと。それはその好きな人が私に価値を見出さなくなったということで、言い換えればその好きな人の偏重する価値を私は持っていないということである。私はその価値観と言葉が好きでフォローしたのだから、それを否定されるのは破門にも等しい。

 ……のだが、最近になって考え方が変わってきている。それでも私は私という個体でしかないと、そういうツイートをしてしまうような個体値であると、ここは一つ割り切っていこうや……というのが最近のムードである。できることしかできない。できないなりの関係とコミュニティの中に私はいる。こういうものをもっと肯定的に捉え、最終的にはプラスでもマイナスでもなくして、「そういうものだ、外側なんて関係ない」というニュートラルのところまで持っていきたい。

匿名の個体

 アイドルを主人公にした作品の、モブ視点二次創作がとても好きである。世界を変える力、世界を振り向かせる力を持たない一個人が、アイドルの輝きにあてられて狂ったり、世界を肯定的に捉え直せるようになる、そういう創作が。

 理由を説明するのは難しい。強いて言うならばそれが静かな「革命」であるから、ということになるだろうか。

 アイドルカルチャーは"娯楽"である。芸能一般がそうであるように。ゆえに登場人物は演者だけでなく、当然のように受け手がいる。アイドルからすれば「ステージで輝く」というのが目的であろうが、受け手の側は必ずしも「輝き」のサクセスストーリーに共感しているとは限らない。友達に連れられてライブハウスに来たとか、なんとなく公園を通ったらステージとも言えない広場で誰の目に留まるでもなくパフォーマンスをやっていたとか、偶然には様々なバリエーションがある。そういった偶然によって、「ただそこで輝いているもの」としてアイドルが認識され、その輝きに受け手が焼かれるとき、受け手の内面に激しい波が立つ。アイドル本人があくまで己の夢/願望を叶えるというエゴイズムの元に行ったパフォーマンスが、明確に人ひとりの世界を革命する。しかしステージに立つアイドルはそれを知らない。この非対称性がとても自分には好ましい。

 ここまで書いて思ったが、これは東浩紀の『誤配』の概念そのものだな……。『観光客の哲学』なるものにも関心はあるので、課題図書にしようと思う。

良いツイート

怖すぎる。

 House Musicしか勝たんね。

聴いたもの

長谷川白紙 - ユニ

https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nLajFciMHpJY_f7mVNfaxRn7He7tY7Tsw&feature=share

 長谷川白紙の新曲。いつもにまして変な曲で、楽曲構成的に終わりの気配を感じたところから突如として盛り上がるような気配が生じ、そのまま波のように引いていった。もう少し聴けば深みが出てくることもあろうが、それはアルバムリリースを待ってからでも良いように思う。長谷川白紙に限ったことではないが、私は単曲リリースを繰り返すというやり方と肌が合わない。

Kamaal Williams - LIVE AT DEKMANTEL FESTIVAL

 UKジャズの嚆矢Kamaal Williamsのライブ音源。去年出ていて、当時は全然理解できなかったのだが、Yussef Dayes Trioのライブを聴いたことでフュージョンへの解像度が上がったし……ということでリトライ。

 かなり良かった。いわゆるUKジャズはほとんどファンクと呼ばれる音楽であるにも関わらず、音楽性的にはスムースで、ファンキーな要素がほとんどないことを残念に感じていたのだが、このアルバムではフューチャリスティックなキーボードがメインを取りつつも、ファンキーでアグレッシブな、従来のファンク/"黒人音楽"らしい野性的な魅力がある。

Nubya Garcia - SOURCE ⧺ WE MOVE

 UKジャズの中でもクラブミュージック寄りの傑作、Nubya Garcia『Source』のリミックス盤。元が多国籍的なサウンドだけあってリミックスにも幅があり、様々なアプローチを楽しむことができる。クラブミュージックに影響されて生まれた音楽がクラブミュージックに返ってくるというところが面白い。最近推しているNala Sinephroや、邪悪な音を作るので興味を持っていたDengue Dengue Dengueのリミックスも収録されており、メンツを見るだけでも楽しい。

Black Dice - Creature Comforts

 DFA出身のエクスペリメンタルバンドBlack Diceの4枚目のアルバム。異なる質感の音を同時に鳴らすことで生じる奇妙なムードを主題にしているように感じる。
 具体的にはサイケデリックとシンセとノイズ。サイケデリックロックのような奇妙で陶酔的なフレーズの反復の上に、異様な質感のリズムシンセやノイズ、コラージュのような音が重ねられる。聴きようによってはFrank Zappaのようでもあり、NYに伝統的に存在するノーウェーブのシーンを継承しているようにも聞こえる。異様ではあるものの、一端その異様さを受け入れてしまえばあとは存分にうっとりと酔うことのできる傑作。

Mansur Brown - Heiwa

 Alfa MistとYussef Dayesの傑作"Love Is The Message"でギターをプレイしていたMansur Brownの近作。かなり期待していたのだが、いざ聴いてみると「あれ?」となってしまった。トラップのビートの上で深夜っぽい(ローファイな)ムードのジャズをやるというのがざっくりとしたコンセプトなのだが、そのギターの音がどれなのか全然分からない。それは本人が意図的にアンビエント的に鳴らしているからなのだとしても、こちらとしてはスピリチュアルなトラックの上で存分に弾きまくる姿を期待していたわけで、肩透かしを食ったな……という気持ちだけが残った。またいずれ聴けば評価は変わるかもしれない。

星野源 - Cube

 星野源の新曲。フレーズ一つ一つが別々の方向に伸びていこうとする寸前で別のフレーズを無理矢理接がれていて、戸惑っているうちにどんどん盛り上がっていって突然寸断されたように終わる、常に違和感のある曲。これが面白いアプローチであり、何らかのムーブメントの一つの発露であることは分かるのだが、それが何なのかは判然としないし、これで一曲ですと言われてもあんまり納得できない。

読んだもの

koken-publication.com

anond.hatelabo.jp

www.hayakawabooks.com

anond.hatelabo.jp

note.com

 今日読んだ中で一番良かった。凄まじい密度で次々に議論が展開していく。

gigazine.net

itnews.org