雑記

__blurry_のおぼえがき

2/25

 朝日記、と思ったが起きたら昼過ぎ。

できたこと

  • 洗濯
  • 買い出し
  • 睡眠

雑感

近況

 仕事がかなり忙しくなってきていて、家から出る時間がない。それに伴いTwitter(新X)での投稿数も増えているような気が……。本当は日記に全部書けばいいのだが、情報収集をこのSNSに頼っている都合上、ついつい何か書きたくなってしまう。あまり良くない状況。
 三連休は部屋の掃除をした。風呂掃除をし、掃除機をかけ、水回りを綺麗にし、皿を洗う。散らかっていた本とCDを整頓する。人としての尊厳が取り戻されてきて気分がいい。

予定管理

 ここ一か月で行きたいイベントがいくつかあったのだが、その全てに行き損ねた。何なら現実で何回も人と話していて楽しみにしていたのに……。予定管理アプリを使えばいいのだが、そこにいちいち入れるのが面倒というか、イベントを見て「予定表に入れておくか」という判断が働かない。こういうものって習慣でなんとかなるものなのだろうか。意識的に何かを習慣づけるということが生まれてこの方できたことがないので全然分からない。

札幌国際芸術祭×O.O.T.C. presents Underground Park at Sound Lab mole

 行ってきた(一昨日まで完全に忘れていたのだがチケットサイトから前日にメールが来て思い出せた。3000円を投じたものすら忘れているのだから恐ろしい)。ざっくり札幌と首都のベテラン・新世代を集めたイベント。
 2330開始で2345くらいに行ったら外に列が形成されていた。moleでそんなことになっているのを見るのは初めてなので並んでいる人に状況を聞いたところ、単に受付が手間取っていて入れていないだけとのことで拍子抜けした。そうは言っても大御所を呼んだイベントだし、中は混雑していて足の踏み場もないのではないか……という覚悟をもって入場したところ、そんなことは全くなくフロアはガラガラだったし、最後まで満員になることはなかった。このメンツでもこんなことになってしまうのか……とmoleにおけるテクノの人気のなさを実感。
 一番手のサトウツバサはフロアを上げすぎず下げすぎずのツール系トラックによるプレイで、バウンス感が何とも心地いい。途中からテックハウスに寄せて展開を作ろうとしたところでちょっとぐだついていたような印象はあったが、身体を暖めるには十分な時間だった。二番手はPARKGOLFだが正直去年で見飽きたので一旦セカンドフロアへ。もうそれなりに長いのにセカンドフロアに行くのはこれが初めて……というか場所すら分からないのでスタッフに案内してもらう。バーカン中央にある階段を客としては初めて上った。
 セカンドフロアでは札幌で活動するDJ/トラックメイカーのQiAとケニアの宴によるB2BユニットVeronicaがプレイしていた。こちらはUKG中心のスピーディーなセットで、比較的若い年齢層が多かった印象。Veronicaの拠点はPlastic Theaterなので、そちらの客が多く来ていたのだろう。

 シンプルにボロボロで外の冷気が差し込んでくる空間というものがまずダンスフロアとしては新鮮だったが、そんな中でも客が防寒着のまま身を寄せ合いながらビートに合わせて身体を動かし、知らない曲に対しても歓声を上げている様にはDIYカルチャー的な生々しさとダンスミュージックへの純粋な愛が感じられて本当に最高の時間だった。40分ほど踊ったところでCwondoを見るためメインフロアに戻る。
 CwondoはPAS TASTAへの客演と羊文学のリミックスワークくらいしか知らなかったが、No Busesというバンドのボーカルのソロプロジェクトらしい。無数の音色で複雑に織り上げられたビートの中を変調・カットアップされたシャウトが飛び回るような、ざっくりとコロナ禍あたりで流行ったグニャグニャした音がボーカルを得てやや歌ものに近づいたという印象だが、個人的にはあまり好みではなかった。こういう表現ならもう少し音の一つ一つが尖っているものを聴きたい。まあこんなものかと思いながら次の砂原良徳を待つ。
 今回の主賓であるところの砂原良徳はまあ予想通り硬派なテクノセットで、特に言うこともなく上手いのだが……特に言うこともなかった。これをmoleで一時間半の尺で観るのであれば、Precious Hall石野卓球を5時間浴びた方がずっと楽しい、というか経験として上位交換になってしまう。プレシャスの音質と尺の長さと比べてしまったのと、普通に眠気と疲れが来てぼんやりと90分をやり過ごす。次はiichiro taya。
 iichiro tayaは全くのダークホースだったのだが、あとから調べた感じだと元telecontra(バンド?)のフロントマンで、札幌パルコ屋上のパーティーでの一番手を張っていた人だった。そう言われればこの人のDJで踊った覚えはあるし、何なら昔ちょっと話した記憶も蘇ってきた。今回のプレイはthe hatchのmidoriのDJの影響を受けたという印象で、PARCOの時(ダブ・エレクトロニカ・エクスペリメンタルという感じの未知の質感のプレイではあったが)からさらに発展し、どこにリズムの力点があるのか全く分からない文脈不明のトラックが次から次へと繋がれていく"異界"としか言いようのない音楽性だった。とはいってもブレイクコアやフットワークに接近する瞬間はあって、それなりに楽しくはあったのだが……。ダンスミュージック的には途中Blawan "Toast"がプレイされたのが嬉しく、非ダンスミュージックとしてはSadnessかShow Me A River Records人脈のロウなブラックメタル~シューゲイズがプレイされてフロアが戦慄している時間が好きだった。別に踊れるわけではないのでクラブカルチャーとしては別に何とも言えないが、そうではなく一つの"ライブ"としては何か新しいものに繋がっていくのを感じさせてくれるプレイだった。椅子に座って見ていたい感じ。
 最後は私の好きなBUDDHAHOUSE。直前のDJがめちゃくちゃだったのでどうダンスミュージックに繋ぎ直していくのかが見物だったが、180BPMくらいはありそうなハードトランス?からダンスホールに繋ぎ、そのままフットワークを経由してジャングル、といった風に符点のリズムを経由してBPMを落としていく手際があまりにも見事だった。ジャングルについては面白いとは思いつつあまり好みではない、というかグルーヴが掴めていないので曖昧に踊っていたのだが、そこでふと「自分はシンコペーションが好きなのだな」という理解が降ってきた。そうと分かれば非シンコペーション的なものにどう親しんでいくかという次の課題も明確になるわけで、好みではない音楽を無理に長時間浴びることで見えてくるものもあるなと思った。そんなことを考えている間にプレイは進み、最後はK-POPがかかって照明がつきパーティーは終了。楽しめたかというと100点中65点くらいだが、いろいろと持ち帰るもののあるパーティーだった。

 近くのコンカフェで夜を明かしていた友達から連絡が来たので合流。ラーメンを食べようなどと話していたのだが行列ができていて、マイナス8度の中を空腹を抱えて並ぶのは無理だと諦めて吉野家へ。フロア明けの牛丼は最高。ついでに友達が撮ってきたチェキを見せてもらう。私も以前話したことがありとても好きなキャストで、ポラロイドカメラ特有の褪せた質感とキャストの顔立ちの良さ・写真うつりの良さとその日のコスチュームが完璧に噛み合っていて本当にいい写真だった。
 後は特に言うこともなく帰宅し就寝、洗濯をして日記を書き始め今に至る。明日からはまた仕事。今日はこれから圧力鍋でシチューを作る。今週も頑張る。

最近聴いている曲

 プレイリストを作った。以下から聴ける。

湊あくあ、さくらみこ - higher [A.I cover]

誰も見たことのない景色だけを見る
俺は子供の頃からずっと天才でいる
1人空高く上空の上で生きる
成し遂げて死ぬ 成し遂げて死ぬ

湊あくあ - sugAA [a.i cover]

ゲイ レズ バイ 何でも来い みんな同じ
囚われない 括りとか fuck 関係ない
毎日増えてく人間 考え変えてく人間
毎日増えてく人間 考え変えてく人間

 ついにフロアでかかったらしい。

カシ・オトハ - 黎明サピエンス

 ソニーミュージック VERSEⁿ所属のVsingerカシ・オトハさんのオリジナル曲で、1stアルバム『anthology』収録曲。これ自体名盤なのでおすすめしたい。
 作曲・編曲・ミックスはhirihiriとlilbish ramko、作詞をlilbesh ramkoが担当したHyperpopで、ミックスがクレジットに記載されているだけあって音の配置やハイハットの鋭い鳴りが印象に残る。
 カシ・オトハさんの聴き心地がよく淡々とした歌声がこういったトラックに乗ること自体新鮮で面白いが、この曲のコアは楽曲の中間部で突如としてクンビアのリズムが顔を出すことにある。明らかにふざけて作ったのではないかという気もするが、クンビアというつんのめったリズムが過剰かつ異様なサウンドプロダクションと組み合わさることで全然聴いたことのない凶暴さに転じている。今年のVTuber楽曲10選におそらく入る、というか今後出る楽曲が全てこれと選出を競うことになる。

DAZBEE - Scarlet

 メジャーでの音楽活動が活発化し、アルバムもリリースされた歌い手DAZBEEのオリジナル曲。アニメ『メタリックルージュ』ED。
 シンセウェイブ的なベースの音色と2000年代的メロディラインが印象的な一曲で、DAZBEEの優しく空間に溶け込んでいくような歌声がタフなサイバーパンク世界における感傷を的確に表現している。シンプルにメロディが良すぎる。

9Lana - BALALAIKA

 MAISONdesでのフィーチャリングによる『うる星やつら』EDへの抜擢などメジャーシーンでの知名度を上げつつある歌い手9Lanaさんの2つ目のオリジナル曲。オーソドックスなラテン調のレゲトンで、歌い手カルチャー特有の少女性の強い歌唱表現から中性的な表現までを広く使いこなすことで"ラテン調"という古典的な音楽性をフレッシュに聴かせている。幼く明るい「Hey!」という合いの手が好き。

桜鳥ミーナ - ダンシング☆PONPON

 ソニーミュージックのバーチャルタレント育成プログラムVEE所属のVTuber桜鳥(読みはオードリー)ミーナさんの初オリジナル曲。作編曲はMONACA広川恵一で、『ウラノミト』で一度提示され、かつ桜鳥ミーナが愛好する80年代フュージョンポップが参照されている。オーケストラヒットや往時のチープなシンセなど、T-Square的な質感、言い換えればVaporwaveが参照したようなレトロフューチャーの質感が押し出されているのはVTuber楽曲としてはかなり面白いなと思った。楽曲中間部に突如として暴力的なドロップが挟まるのは謎。

UROMT - ナミナガレ

 歌い手kazaとシンガーソングライター4naによる音楽ユニットUROMT(ウラオモテ)の初オリジナル曲。作詞作曲演奏はボカロPとして知られる皆川溺。kazaの温度感の低く柔らかい高音と4naの低音がダウナーなエモの質感を帯びたオルタナサウンドの中に優しく馴染んでいる。この曲はインターネットにおける映像制作の天才kkmfdがMVを担当しており、幾何学的な表現と実写・二次元イラストを融合した映像が圧倒的なので、動画込みで聴かれてほしい。

綿菓子かんろ - リサージュの風景

 歌い手・Vsingerの綿菓子かんろさんによる1stアルバム。今年出た中でもっとも見過ごされている作品はどれかと言われたら迷いなくこれを挙げる。
 "歌い手"と聞いてイメージされるのはおそらく"ボカロ曲"的な音楽性ないし性急なポップソングなどだろうが、このアルバムの音楽性は2000年代エレクトロニカに根差した優しくもポップなものであり、ボーカルとサイン波のみで構成された簡素なサウンドプロダクションもあって、リスナーを選ばない普遍的なサウンドが鳴っている。こういったシンプルなコードとメロディ、コーラスワークの良さで聴かせる作品が出たというのは歌い手文化の多様性を示すものでもあって、"歌い手"という響きから悪印象を抱いてしまう人や、自分の好きな音楽とは違うと切り分けて考えてしまう人にこそ聴かれてほしい作品だと思った。