できたこと
- 洗濯
- 皿洗い
- 料理
- 身体を休める
雑感
毒
水曜日の午後に打ったワクチンの副反応が、土曜の夜にようやく全快した。体温計は未だに家になく、何度まで上がったのかはよく分からないのだが、体感では38度プラスαくらいの熱がずっと続いていた。正直なところ、接種翌日は休むとして、その次の日もワクチンの副反応と言い張って有給を取りまったり過ごそうと画策していたのだけれど……。まさか本当に熱が出て布団からろくに身動きも取れないまま一日を潰すとは思わなかったし、土曜日まで常にうっすらと熱っぽさを引きずるとはさらに予想外だった。こんな目に遭うのでは反ワクチン派の気持ちにも少しだけ傾いてしまう。
MU2022
土曜日は病み上がりのけだるさを引きずってはいたものの、軽い粗熱を残すのみになっていたので、快気祝いに麻婆豆腐を作り、それを食べながらMU2022を観た。生身の人間が生でパフォーマンスしていても、「音源の方が全然いいな……」と感じると即座に白けるし、ダンスパフォーマンスに重きをおいていないというのもあって声優・女性シンガーのパフォーマンスはなんとなくで聞き流し、目玉はDJ Wildpartyさん・BUDDHAHOUSEさんの二名。前者はスケール感の大きいエモと内輪的な悪ノリを往復しつつ、気がつけばその悪ノリに大勢の観客を取り込んでいるという魔法のようなプレイがいつも通り楽しかった。BUDDAHHOUSEさんは小箱でかかるようなアンダーグラウンドの音とメジャーシーンの賑やかな音を、どちらにも傾かない中間領域で絶妙に鳴らす巧者で、サウンドの馴染みという点ではこの人が一番楽しかった。
そして何より呂布カルマ。アニメアイコンのオタクを忌み嫌っていると言いつつトークでオタクを沸かす手腕はやはり現場叩き上げの一流で、配信を見ていて声を上げて笑ってしまったし、現場のオタクは大盛り上がりだった。そしてそれはトラックもラップも同様で、ダークで和風なアンビエンスを帯びたクールなトラックに呂布の独特のフロウが乗ると、一気に空間が呂布カルマのカラーに染め上がる。プロフェッショナルの技だなと感じた。
以下に記すクラブイベントに備えて寝たため、残りのプレイは観るのを諦めた。どうせ録画がある。
Electric Circus
石野卓球が札幌に来ていたので行ってきた。本当に良かった……。去年と似たような感想になるが、テクノ・ディスコ・ハウスの中間にある針の穴ほどのゾーンを常に通しつつ、ニューウェーブ・80'sへの偏愛を隠さない、"石野卓球"のカラーがプレイ時間ずっと一貫していて、まさしく職人技のようなプレイだった。"電気グルーヴの"がつかない石野卓球はアンダーグラウンドかつコアで本当にかっこいい。つく時の方は3曲くらいしか知らないので保留とする。
しかし前座が酷かった……。Precious Hallは100人も入らないような小箱なのだが、そこでロックフェスにでも出ているかのような壮大で音場の広いトラックばかりガンガンにかけまくっていて、フロアのムードとも「前座DJ」という役割とも時間帯(~午前一時半)とも全然噛み合っておらず、最後の10分間以外はずっと場違いな繋ぎを続けていた。次は卓球一人で来るか、前座はローカルのDJに任せてほしい……。
#卓球がかけてた
そんなハッシュタグはないが、石野卓球の選曲がとても良かったのでハイライト(思わずshazamした曲)を以下に記す。
Basement Jaxx - Rendez-Vu (Jesse Garcia Club Mix)
前座DJが卓球への繋ぎでプレイした曲。大箱鳴りのハウスビートに情熱的なフラメンコギターがジャカジャカと重なる。キックがバウンシーでフロアが沸騰していた。
Piero Pirupa - We Don’t Need (Extended Mix)
Pink Floyd"Another Brick In The Wall"のサンプルを重ねたテックハウス。キャッチーなボーカルラインの一発ネタでなく、地に足の着いたベースラインと軽やかなカウベルの刻みがトラックの強度を支えている。やや固めのキックが身体にドカンと聴いてきて気持ちいい。
Donny Rotten - Disco Thang
様々なディスコがサンプルされている(であろう)ディスコハウス。ドスドス響くディスコハウスは最高。
Fracture & Sam Binga - Xtatic
ブリストルのベースミュージックプロデューサーSam Bingaの最新アルバムからの激烈なエレクトロ。これはBandcampのトップページでも取り上げられていたのを覚えている。バキバキのビートで気が狂うかと思った。フロアで叫んだ瞬間その1。
Josh Wink - Higher State Of Consciousness (Adana Twins Remix One)
ドイツのプロデューサーデュオAdana Twinsによるビキビキのアシッドエレクトロ。元はStrictly Rhythmからリリースされたややブレイクス寄りのトラックで、アシッドフレーズももう少し速いのだが、ここでは減速によってエレクトロの力強いビートとアシッドの毒性がいや増して感じられる。フロアでアシッドを聴くと鳴りが予想以上に太く、TB-303がそもそもベースシンセであったという原点が思い出されてくる。原曲もおすすめ。
Thee Maddkatt Courtship III - Cosmic Pop
シカゴのプロデューサーFelix Da Housekattなる人物の別名義プロジェクト。New Order等の80年代ニューウェーブディスコをフィルターハウスの感性でエディットしたようなトラック。フロアの一番暖まった時間に華やかなホーンが突き刺さる。
Dead Or Alive - You Spin Me Round
UKのディスコ・ニューロマンティック(何それ?)・Hi-NRG・ユーロビートバンドDead or Aliveのヒット曲。全米チャートに入ったというから有名曲なのだろう。石野卓球の切り札の一つで、去年のパーティーでもかけていた。エディットのテイストが現代的なように感じられたので、URLに挙げた12インチバージョンではなさそう。
TAN-RU - Keep Reachin'
Inner Life"Ain't No Mountain High Enough"ネタのミニマルテクノ。フロアで浴びるとあんなに猛烈だったのに部屋聴きでは味気ない。石野卓球のかけかたが上手いのかもしれない。
Ben Kim - Somebody To Love
Jefferson Airplaneの同名トラックをサンプルしたベースライン主体のハウス。これも石野卓球の切り札。ビットレートの下がったサンプルが浮上してくるパートでみんなで手を叩く。
Butch - In Gods Arms
先述のディスコ・ハウス職人Butchのトラック。メランコリックなピアノフレーズがごつごつしたビートの上でヒプノティックに繰り返される。
Fat Truckers - Superbike
午前六時半を過ぎてミラーボールが止まり、フロアの照明が灯り、最後のトラックが終わって、観客の拍手が鳴り止んだところで、一人の観客が「もう一曲!」とリクエストを発した瞬間にプレイされた楽曲。アルバム一枚を残して解散したUK・シェフィールドのシンセパンクバンド(?)Fat Truckersのトラック。Primal Screamのようなチープなビートに、ギリギリとチェーンソーが唸るような歪んだインダストリアルシンセとブリープ音が重なる。四つ打ちで完全に疲弊していたところに激しいサウンドで鞭打たれ……一気にテンションが回復した。フロアで聴くと床も揺れんばかりの凄まじい勢いと張りを感じるトラックだったのだが、部屋のスピーカーではやはりどうも……。それでもやはりかっこいい。
読んだもの
「シンデレラメゾン」一巻を読んだ。しかし疲れたので今日はとても……。