雑記

__blurry_のおぼえがき

7/4

できたこと

  • 出社
  • ゴミ出し

雑感

熱帯夜

 昨日は暑すぎて眠れなかった。おかげで寝不足のところに午後出社があり、疲れ果ててしまった。この体調でゴミを出しカレーを作り皿を洗い洗濯物を干せたのだから、今日は自分を褒めていい。

聴いたもの

P丸様。 - MOTTAI

 P丸様。の新曲。承認欲求の歌。
 この人の歌唱には独特の癖がある。楽曲のビートに対してフロウで乗る歌唱ではなく、パーカッシブかつ歯切れよく、いわばビートに対してビートを重ねるような歌唱というか。加えて、メロディの音程やリズムは外さないが、フレーズの末尾には普通に喋っているときのような吐息や跳ねや音程のくしゃっとした崩れが不規則に混じることで、聴き心地の良さとキャラクター的な魅力が両立している。

「その指止めて私を見て 私だけ見て それ以外いらない」もすごい。前二つのフレーズの末尾は切実に訴えるように音程の下方向へのずれとともに喉の詰まったような歌唱表現をするのだが、「それ以外いらない」ですっと安らいだような歌い方に切り替わる。緊張と解放の表現がとても自然な形でなされていて、こういうことができる人は滅多にいない。やはりすごい人だなと思った。

 この人は輝夜月名義での(今でも変わらない)コミカルな印象をもって受け止められていると思うが、エモーショナルな歌を歌っても一級のシンガーである。ピアノの透き通った音色に対して美声で応答するのでなく、その特徴的な喉を締め上げたような声そのままに歌い上げることで、響きに強烈なコントラストを生んでいる。

ロボ子さん - リルビ

 ここ最近ずっと聴いている曲。ホロライブ0期生のロボ子さんのオリジナル。
 まずはビートがかっこよすぎる。エレクトロファンクとハードロックにゴシックのカラーを差した、80年代Michael Jacksonサウンドを想起させる音使いの時点で相当に刺さっていたのだが、「Tick Tick Tick Tick Tick Tock Tock リルビ リルビ リルビ リルビ」の裏、あるいはサビにおける軽いスネアの乱打の言い知れない気持ち良さに完全に打ちのめされてしまった。

 コンセプトの面で言えば、聴いて分かる通りここで想定されているロボットはねじ巻き式の古いステレオタイプなのだが、ネジをキリキリ回しながら動く様子、あるいはネジが切れて都度巻いてもらう様子がトラップの細かいスネアの刻みとその静止によって表現されている。クールなビートがコンセプト的に必然的に組み込まれているというのは一番かっこいいと思う。
 最後にロボ子さんの歌唱について。この人の歌はいわゆる上手い歌ではない。それどころか明らかに意図されていない形でもたついたり走ったりするし、発声は安定しない。そしてそのことがこの人の魅力だと感じている。リズムの乱れは楽曲の中にリズムの緩み/遊びを生むことでビートの鋭さを際立たせる。発声の安定しなさによって、多様で一つ一つ固有の魅力を持ちつつ、全て"ロボ子さん"だと分かる強い記名性のある声音が万華鏡のように手を変え品を変え立ち現れる。その不安定さが次に何が出てくるのか分からない緊張感を生み、楽曲のテンションと噛み合った時には一層の感動を覚える。
 大仰なことを言えば、硬派なバックトラックに対してゆるいシンガーを乗せるというのはCANやポストパンクによってすでに確立された表現法である。それがアイドルと二次元カルチャーから再発明され、しかも他のカルチャーからは生まれ得ない固有の美質を備えてリリースされたことが奇跡的に感じる。こういうことがあるからVの音楽はやめられない。

 こちらはインスト版。これだけでも十二分にダンストラックとして通用する強度がある。