できたこと
- 洗濯
- 勉強(ちょっと)
雑感
エルデンライフ Pt.2
エルデンリングが終わらない。今日ちょっとプレイしたら総プレイ時間が100時間を超えていた。100時間やって一個目のエンディングに辿り着けないゲームって何なんだ?
エルデンリングに生活のリソースを全投入しているせいで日々の食事もかなり適当だし、日記も全然書けない(これ自体19日ぶりの日記となるらしい)。その分ツイートばかりが増えていく。日記を書く前に逆戻りしてしまった。
プレイ状況は以下の通り。
- 崩れゆくファルム・アズラ到達
- ミケラの聖樹到達
- ラニイベント終了
- フィアイベント完了
- セレンイベント完了
- 火山館・パッチイベント(おそらく)完了
洞窟・地下墓・英雄墓はところどころ抜けがある。祝福だけ灯したものの探索していない場所もいくらかある。フロム初のオープンワールドではしゃいでいたのは分かるが、何もこんなに配置しなくても……と思う。
今日は火の巨人を倒したのだが、名前や評判から想像されるイメージよりずっと地味で何とも言えない顔になってしまった。モーションはリムグレイブからずっとフィールドにいる巨人と大差ないし、腹から火山弾を無数に噴出する技は適当にローリングしていれば何とかなる(ライカードやアステールで見慣れたパターン)。
一回の被弾の回復に聖杯瓶が二個要るあたり火力の高さは感じるのだが、こちらの与ダメも相当高かったし(短剣一発で500!)、どうも道中の卑兵に袋叩きにされたり(衝撃波に一個引っ掛かるとだいたいそのまま死ぬ)、黄金樹の化身が二体に分裂したことのストレスが大きすぎたせいで何も感じなかった。結局レベルを上げて遺灰と金サインの仲間で袋叩きにするのが正解ということらしい。マルギットと戦祭りが教えてくれたこと。ちなみにこれは自分がやる分には熱いが敵にやられると青筋が浮かぶ。宿将ニアール、魔術教授ミリアム、お前たちだけは絶対に…………
恩讐
金曜日に有給を取り、祝日と合わせて四連休を作った。休みは長ければ長いほどいい。
その一日目、金曜日に父親に連れられ、父親の定年の挨拶(という建前で様子を見)に母方の祖父母に会いに帯広に行った。母は誘ったが来なかった。祖父母と母の関係は完全に終わっているのでこれは予想の範囲内。
結論から言えば全然元気だった。30分くらい相槌も待たずに遺産相続についての話を延々と聞かされ、面白いといえば面白いのだが正直疲れてしまった。どうも祖父母の子(母と叔母)が祖父母より先に死亡すると相続権が唯一の孫である私に回ってくるらしい。ここに殺人の動機がある。
帰り際になって、祖母が「お父さんとお母さんに育ててもらった恩返しに孫を見せたいとは思わないの?」と、特段何も考えていないような調子で聞いてきた。
この人はまさか自分の子が心無い言葉を吐いて10代の私の自尊心を挫き、結果よりも態度を求めて私が学年一位を取り続けようとも人と遊びインターネットに触れることに苦言を呈し、日々家庭に不和をもたらし、家の金銭を詐欺まがいの投機に使い込みながら(うち一つは間違いなく詐欺だった)、私の学業や就職における成功は全て自分の手柄として父や私自身に誇っているとは思わないだろう。母親に負う恩は受けた仇で充分釣り合っているし、そんな一瞬のお披露目のために他人と結婚して子をなすつもりなど毛頭ない。
……などと様々なことが思い浮かんだが、そうとは言わずに「全然思わない」と返した。そもそも父親は私が子をもうけることに興味がないし、母親に至っては家を離れた今ではどうでもいい存在でしかない。それよりも大事なものは日々にたくさんある。
聴いたもの
Utada - Exodus
宇多田ヒカルのUtada名義による海外デビューアルバム。帯広に行ったついでに中古CDショップに寄ったところ100円で投げ売りされていた。どうかしている。
このアルバムと言えばMars VoltaのJon Theodoreが参加しているKremlin Duskのイメージが強かったのだが、他の楽曲も片っ端から名曲だった。いわゆる"R&B"的な楽曲は全然なく、どの曲を聴いてもストイックでユニークなビートが刻まれているのだが、やはり宇多田ヒカルのカラーに染められているところにシンガーの力を感じる。
特に気に入ったのは"The Workout"と"Wonder 'Bout"。前者はマシンビート剥き出しかつベースが獰猛なダブステップで、逆再生のシンバルの不穏な音が良い味を出している。後者はTimbalandプロデュースのほとんどヒップホップのような浮遊感のあるビート。ほとんどインピーチのビートなのだが、そこはTimbalandらしい独特のカラーがある。
宇多田ヒカル『BADモード』の配信リリース当日に行われたオンラインライブで『Exodus』(‘04 *Utada名義)からの楽曲が披露され、驚いた方もいるかもしれない。だが、個人的には必然性を感じる選曲でもあった。「Hotel Lobby」「About Me」の2曲は宇多田がプログラミング担当者としてクレジットされた最初期の楽曲たちだ(スパイス・ガールズ、ニュー・オーダー等の仕事で知られるピート・デイヴィスがそれぞれ共同 / アディショナル・プログラミングとして関与)。また、同じくリリース日に公開されたビルボードのインタビュー(「Hikaru Utada Returns, With ‘BAD Mode’ & A Better Sense of Self」)で「キャリアで特に誇りに思っている作品」を訊かれた宇多田は、第一に『Exodus』を挙げている。
これは傑作だと思ったら宇多田本人もフェイバリットらしい。ちょっと嬉しい。
DJスカイハイ斉藤 - 。..:・ ゚bluespring release party ゚・:..。 shoegaze set (2022.03.19)
相互の人が先日のTelematic Vision "bluespring"のリリースパーティーに参加していたので聴いた。最高。
シューゲイザーというジャンルは門外漢で全然聴き方も分からないままここまで来ているのだが、このミックスではアニソン寄りの選曲を通じてシューゲイザーのCocteau Twins的な、恍惚に浸らせる感覚を凄まじい確度で提示しており、一聴して完全に食らってしまった。選曲を通じて音楽性のエッセンスを抽出する、というDJプレイの凄みを久々に感じた。
読んだもの
小川一水 - ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2
『アステリズムに花束を』の短編から膨らんだ百合SF小説の第二巻。以下ネタバレを含む。
話自体はまあ面白かったのだが、なんとなく「こぎれいにまとまっている」という印象が否めない。もっと言えば、百合というか人間同士の関係を描く上で最も重要となる、人間関係における作者のフェチズムを全然感じない。なのでダイオードとテラの絡みもどうにも紋切り型というか、やり尽くされたことをただSFの土壌でやっているという感じがして、百合のはずなのに関係性にフォーカスした場面が一番退屈だった。
男尊女卑的な社会の構造に対してダイオードが切れる箇所も、どうもTwitterのバズツイを読み上げているような、作品世界から乖離しているような違和感が付き纏うし、さらに言えばダイオードのセリフからはいちいちインターネットの軽薄な語彙を引っ張ってきたような匂いがする。これがこの人の作風ならもう読まなくていいなと思った。
そして一番大事な作品の結末が残っている。前作がそうだったように、今作もRunawayすなわちファット・ビーチ・ボール星系から脱出したところで幕を閉じる。……のだが、これを受けて読者はどうしたらいいのだろう、と個人的には思った。
これがもし「今いる場所が嫌なら逃げ出したっていい」というメッセージであるなら、作中で明言されている通り、これからどうなるのか、行った先に何があるのか分からなくとも逃げ出すことを提案するというのはあまりに無責任であるように感じる。逃げ出しても生活は当然続くし、その先が理想郷である保証は当然ない。そうであれば、逃げ出した先が傍らに選んだ人がいる以外の全てが苦しくとも、それを自分の選択として主体的に引き受け、日々を戦っていく姿まで書くのが責任というものだと思う。逃げることだけを賛美するのではTwitterのバズツイと言っていることが変わらない。
「これはメッセージではない、ただフィクション世界でフィクションの人物がそうしただけ」という読み方もあり得るだろうが、その読み方は私にはできない。この作品世界の設定はどう読んでも「現実の性役割分担を戯画化したもの」であり、この作品世界におけるキャラクターの動きは現実世界での人間のメタファーとなり得る。その中でテラとダイオードの二人だけを完全に現実世界から切り離すというのは通らない。
そういうわけで、今の私はこの作品の提示するビジョンを読み取りかねている。ここで終わるなら作者はここから先、つまり理想ではなく現実の生活を生きなければならないという領域には着手しなかったということになるし、Runawayを重ねていくシリーズものとなるのならそれはもはや現実の反映とはなりえない。現実の人間がそうやすやすと居場所を変え続けることはできないから。