雑記

__blurry_のおぼえがき

10/13

できたこと

  • 早起き
  • ラジオ体操

雑感

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 もうずっとハマっている。先に私の中にあるもやもやを、自分よりもっと頭の良い人がスッと言語化してくれること、そしてその人たちの信念が明確であることがありがたい。自我のない私にあちらの考えが注ぎ込まれているのではない……と言いたいところだが、これもけっきょくカルトにハマる人と何ら変わりない思考回路かもしれない。自分が好きな人たちが好ましいバランス感覚を持っていて良かった。

 更新が二つあったのでそれぞれについての感想。引用が長大になるので先に向こうを読むのがよい。

「今持っているものは全て自分が獲得したものだっていう、そういう捉え返しをしようと思ってるねん」

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一ヶ月も有給をとったのに、ベッドでTikTok見て終わった…

 書き出しからすごい。

中垣:これまで仕事を…まあ辞めたいと言ったことはないけど、とはいえ云々言ってきたわりに、それがなくなった瞬間おれはこんなにも何もしなくなるんだって。「やりたくないけどやってるんです、あーだりー」って言いながら、そういう外部の駆動装置から切り離された途端にモチベーションがエンストするのを知って、これはあまりにも脆いなって。

 ここに物凄く共感した。私も大学生時代は有り余る時間にかまけていて、毎日夜更かしして日中はずっとぼんやりしていたし、フィクションだって全然読んでいなかったように思う。本当に自分の生活を自分で営むのだと決意したのは労働に加わるようになってからで、それは結局このように"外部の駆動装置"がなければ満足にモチベーションを保てないということであろう。

 それはそれとして以下が本題。

中垣:まさに今の自分の振る舞いによって自分自身が形作られているし、一挙手一投足がそのまま意味を作り上げているんだっていう。
河東:真理やね、あれはまじで。
中垣:そう、だからそれに対して無責任であることはあり得ないというかさ。
河東:そうやんな。
中垣:なんかね、矛盾するふたつがありながら程度問題でおれはこっちを取るんだみたいなのって…形而上の話としてならあり得るんだけど、でもあり得ないわけ。10:0なわけ。選んだならそれやねん。
松田:うんうん。
中垣:前に松田が言っていた例やけど、ユーチューブのクソみたいな広告は良しとはしないんだけど、でもユーチューブを見るんであれば、それはその広告も含めてユーチューブを好きってことやねん。
河東:うん。
中垣:戦地に赴いたのなら、それは国への愛を取ったってことやねん。その過程で母親への愛と国への愛との葛藤があったことはどうでもいいねん。国への愛が10やねん。
松田:うんうん。
中垣:あり得たもう一方なんてないねん。
松田:実際の行動とか結果と、それらを導いた判断の過程っていうのは切り離しては語れないわけで、6:4でどちらかを選んだとしても、それは選んだ限りにおいて10:0やねん。
中垣:表現がむずいよね。確かにそういう葛藤があったことは想像できるんだけども…
松田:し、別にこれは、理性的な判断の可能性を否定するものでは決してないわけ。
中垣:うんうん。
松田:なんだけど、一度選んだ以上それが全てなわけ。
中垣:うんうん。ここで言う結果が全てって、別に努力の過程が大事なんじゃないかとか、そういう話では決してないやん。ただ、意味を生み出していく過程においては結果に落ちていかないものに価値は無いねん。ポジションを取らないとそこには何も生まれないねん。あり得た自分の残骸には意味がないねん。
河東:うんうん。
松田:引き受けなければいけないのは選んだものであって、選び得た可能性ではないのよね。

 私が「排他的な選択」と呼ぶものはまさにこれである。何かの選択は一度下されればもはや10:0でしかない。

 5:5で中間を取りたいという考えもあるかもしれない。しかし、選択すること、その10をもってポジションに立ち、10をもって選んだものを引き受け、あり得た可能性はもはや顧みない、そこにしか価値は生まれないし、そうであるからこそ価値は十全に輝くものであろうと思う。フィクションの人間同士の関係性における選択であったり、人生であったり、いろいろであったりするが、とにかく引き受けた以上は10:0であるという覚悟は、これからの多くの場面でキーワードになっていくなと思った。

Apple Musicをカセットに巻き直そう

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 「iPhoneで保存した画像は検索性が低い。逆に紙に刷ってしまうことで簡単に見つけられるようになった」というところから始まる。

中垣:アップルミュージックだって、3年前にライブラリに追加したアルバムなんて見つけられへんねん。でも棚にCDをバーって置いてたら、アルバムの色とか棚の中での位置とかの情報が多いから、結局そっちの方が分かりやすかったりするねん。
松田:はいはい。
中垣:そういうフィジカルの強さってあるなと思って。それで前も言ったけど、今まで保存してきたのを印刷してみようと思って、そのためにプリンターを買って、L2版か何かで全部印刷したのね。

中略

中垣:そういうのもあって、ウェブで保存した画像に質量を持たせてみるっていうのはおもしろいんじゃないかと思って。
松田:何かしらね、質量を持たせることで立ち上がってくるものがあるんじゃないかと。
中垣:そうやね。だから…最初に言ったように、参照性を高めるためにフィジカルにすることに既に意味があるし、それに加えて、質量を持つべき情報っていうのがあるんじゃないかって。

中略2

松田:なんか他にないんかな、サーバーに保存されてるねんけど、フィジカルに手元に落とした方がいいデータ。
中垣:アップルミュージックを出力しながらカセットに巻き直すとか。
松田:うわ…それやばいな。
中垣:おれ車で音楽かけようと思ってアップルミュージック開くのがめっちゃ嫌いやねん。それよりもカセットがあって、適当に選んでそれを入れるって方が絶対にいいねん。
松田:うん、それは間違いないな。でも何が違うんやろう。
中垣:必然性というか…位置を占める感じがあるやん。one of them じゃなくて one of one になる感じがあるよね。
松田:カセットテープのスロットを占領するもんね。それを入れ替えようと思ったら、やっぱりちょっと大仰な感じになるもん。不可逆な感じあるよ。

 めちゃめちゃに分かる。私は月に30枚くらいアルバムを買っているが、3か月前に買った作品を遡るのすら手間取っている。その点CDはふっと振り返れば十何年分の蓄積がある程度見渡せ、なんとなくの記憶でも聴きたいアルバムを取り出すことができる。

 それに、カーステレオでCDを入れ替えるのは本当に楽しい。そのためにラックから数枚をピックする作業はわくわくするし、車の収納スペースにため込んである中からぴっと抜き出すのも楽しい。insertするという選択と排他の儀式を経ることによって、その後のリスニング体験にThe Oneの重みが出るというのは体感として強くある。データ管理アプリではダブルクリックで選べてしまう分だけいつまでも迷うし、なんとなく味気ない感じもする。

 これではまるで昨日の日記と矛盾するようだが、私の中では全く矛盾していないし、矛盾であるとも思っていない。日記に書かないことはある。書くべきだったが忘れていたり抜けていたことがたくさんある。

VR・ARと未来

 VRとARを体験する機会があったので友達と一緒に行ったのだが、エクスペリエンスがあまりに圧倒的で立ち直れずにいる。

 体験自体は大したことがない、試作品のソフトでちょっと遊ぶくらいで、やったことといえばただ前に歩いたり身を屈めたり、目の前にある仮想オブジェクトに触ってリアクションを引き出したりしただけなのだが、「形としてそこにないもの」がリアクティブな具体として現実に重ね書きされているということ、視野を現実でないものに置き換えることが可能ということを感覚として知ったのはこれが初めてで、今私は本当に未来に生きているのだ……という強い実感に打ちのめされてしまった。

 この世界をもっと早くに知っていれば、自分の選択肢は、人生は違うものになっていただろう……とまでは思っていない。しかし、自分のフィジカルな感覚としてそれらを知らなかった今までと、知ってしまった今では、もはや別の世界に生きているような感じがある。そういうものはもはや想像力の産物ではなく、ゴーグルをつけている姿が面白いと揶揄している場合でもなく、今まさにこの現実において、これらの技術は花開きつつある。世界は私の五感とインターネットで捉えられるよりもずっと広く、人生には積極的に未来を志向することでしか拡張できない領域がある。今さらながらにそんなことに気がついた。文字に起こせば平凡だが、そうとしか言えない真理もある。社会人から学生へのアドバイスが「やりたいことを見つけるために、たくさんのことに挑戦する、コミュニティに所属する、コネクションを作る」にしかならないように。

推しと成し

 黒田夏子先生が紫式部賞を受賞した。本当におめでたい。きっとそういうことに価値を見出す人ではないだろうが、しかし本人が「古い時代の先達の名前を冠した賞で、大きな文学史の流れの中に呼び込んでいただけたような気分」というコメントを出している通り、ただ異端の作家で終わるのでなく、その情緒が理解され、改めて文学史に名を残す人物となったことが嬉しい。

良いツイート

 どういう意味だろうと思って開いたらその通りだったのでめちゃくちゃに笑ってしまった。

聴いたもの

Chris Dave - UNEVEN

 Chris Daveの新作。Derrick HodgeやIsaiah Sharkeyなど、ネオソウル時代のミュージシャンを起用しつつ、Chris Daveなりのグルーヴミュージックを追求しているという印象。シンプルにこの人のドラムは音が良い。Nate Smithほどミニマルにもならず、90'sヒップホップとRobert Glasper周りのスタイルとしての音色の膨らみがある。

Kalabrese - Let Love Rumpel - Part 1

 今日のベスト。Kalabraseという人物は知らなかったのだが、エクスペリメンタルを経由したハウスミュージックの作家として有名らしい。Pepe Bradockを引き合いに出されるのも分かるが、もっと生々しく、Ricardo Villalobosを肉感的なファンクに寄せたような、エレクトロニクス導入以後のファンクの一完成形。傑作。来春にパート2が出るということなのでそれも楽しみ。

Black Country, New Road - Ants From Up There

 前のアルバムが傑作だったUKポストパンクバンドの最新作。聴いた感じでは南ヨーロッパ的なユーモアを盛り込んだプログレという感じで、これを先行シングルとした理由がいまいち分からないのだが、「何が出てくるか分からない」というワクワク感は確かに「今のポストパンク」に求めるものと合致している。リリースが楽しみ。

余談:ホロライブENの七詩ムメイさんの歌がすごい。

 「歌うま」という言葉があるが、この人は歌が上手いというより、その歌唱によって表現されるものが凄まじく具体的であり、小手先の技術ではどうにもならない領域に達しているように思う。声質と技術が十全に掌握された上で、それらを適切に指向して運用することができるというのは並みのことではない。

 以下はIDのHoshinova Moonaさんの歌。オルタナを歌うVは少ないので嬉しい。

読んだもの

room.commmon.jp

どう思うかじゃなく何を言い得るかドリブンで口開くやつ、嫌いです

 ここしばらくで一番のパンチライン

imdkm.com

www.fnn.jp

www.netlorechase.net