雑記

__blurry_のおぼえがき

12/16

できたこと

  • 早起き
  • ラジオ体操
  • 買い物
  • 圧力鍋を使う
  • 電気代の支払い

雑感

開眼

 豚汁も飽きたがカレーを作るには寸胴の鍋がないなどと昨日は悩んでいたのだが、ふとキッチンで振り向いたら圧力鍋が控えていて、今まで私は何を見ていたのだろうと思った。
 圧力鍋にはレシピ本が付録としてついていて、ぱらぱらとめくったところ「中華茄子」という豚肉と茄子の中華煮がおいしそうだったので作ることにした。材料のページをiPhoneのカメラで撮影し、ランニングのついでにスーパーに寄って写真を見ながら具材と調味料を買い集め、豚汁と合わせるのではおかずが多すぎるからたまごスープなども買って会計を済ませ店を後にする。家に着いてから茄子を買い忘れたことに気がついた。何をやっているんだ?
 というわけで、レシピ本で見かけ、中華茄子の買い物のついでに買った豚バラのブロックで角煮を作ることにした。具材と調味料を鍋に放り込み15分のタイマーをセットするだけの簡単な料理だがちゃんとおいしかった。プランBを用意しておくのは大事。
 買うものが増えたのでリストを更新する。

  • スプーン
  • フォーク
  • 茶碗・お椀・お皿
  • ボウル
  • 洗い桶(?)

 寸胴鍋は単なる加熱にも対応した圧力鍋の発見により要らなくなった。

朝寝のスケーラビリティ

 今日は六時間しか眠れておらず体調がとても悪かったので、普段は7:00~7:30としている朝寝の時間を30分延長した。とりあえず一度起きてコンディションを測り、朝寝の時間を調節して体力を回復するというのは我ながら良いやり方だと思う。早起きのメリットはこれに尽きる。

更新

 大学1~2年の時に買ったと思しきウォークマン(ZX-100)のイヤホンジャックとボタンの劣化があまりにひどかったので先日ヨドバシカメラに修理に出したのだが、今日見積結果の電話が来た。曰く「ボタンとジャックの基盤が腐蝕していて交換する必要があるのだが、もうそのための基盤の在庫がない」という。では修理は不可能なのかな……と思いながら先を促すと、「そこで最新型のZX-507とのお取替えという形になります」と続いた。え?
「ただしお客様がお持ちのウォークマンは128GBですが、こちらの型は64GBのものしかなく……」それでもよければということだろうか……「こちらの商品に64GBのmicroSDカードをお付けするという形で対応させていただきます」そんなことある?
 八万円もする最新型のウォークマンへの交換ということで、費用はかなり嵩むだろうと身構えていたのだが、向こうから提示された額はなんとその4分の1程度。至れり尽くせりすぎて逆に怖い。そんなことある?

 あまりに親切すぎる対応に正直ちょっと引いてしまったが、棚ぼたでもなんでも、高級プレーヤーが手に入るのはとても嬉しい。今週の頭に元値で父親へのプレゼントとして買ったばっかりなのに。
 しかしこんなに対応がいいことがあるだろうか。SONYのアフターサービスが凄すぎるという可能性を敢えて留保して考えるなら、みんなスマホのサブスクで音楽を聴いていて、ウォークマンの売り上げもかなり下がっているのかもしれない。ハイエンドプレーヤーでサブスク音源を聴こうなどという人間はそうそういないだろうし、わざわざ音源を所有して端末に入れて聴こうなどという物好きは猶更だろう。そうであるなら現在の顧客を逃す手はない。あるいは在庫をはけたいのかもしれない。何にせよとてもありがたい収穫だった。

www.hayaponlog.site

 と思ったらバッテリーの持ちが凄まじく悪いらしい。しかし私のウォークマンは六年も使ってすっかりへたっているし、どうせWi-FiBluetoothも使わないしであまり心配はしていない。父親へプレゼントするのがこれというのは少し心残りであるが、欲しいと言っているので……。

良いツイート

聴いたもの

Iannis Xanakis - Electroacoustic Works

 現代音楽の大家クセナキス電子音楽作品集。スペルを見た時Ina'nisが頭にちらついた。
「なんだか変な音が鳴っているな」以上の感想が出てこない。本当にずっと変な音が鳴っている。これは大きめのスピーカーで大音量で聴くのが前提ということ……だと思いたい。まだ半分残っているので明日も聴く。

Thomas Brinkmann - Retrospektiv

 エクスペリメンタル/ミニマルテクノの天才Thomas Brinkmannの作品集。良すぎる。どの曲もエキセントリックで奇想天外なテーマを持ちつつ、しっかりとタフなグルーヴを持っていて、一曲ごとに「曲が良すぎる……」と感動する。音量を上げたいがドアの防音が心もとないため一定以上は上げられない。ドア付近に防音カーテンを設置することを検討している。

読んだもの

 本当に権利者からの差し止めが来ているとは思わなかった。もうそういったようなイラストレーター/漫画家に頼らなくてもコンテンツを作れるようになったということだろうか。愛園愛美さんが露出の少ないモデルを使い始めたのも同じ流れにあるのかもしれないが、どうなのだろう。

ddnavi.com

12/15

できたこと

  • 早起き
  • ラジオ体操
  • ランニング
  • 豚汁の仕込み
  • ご飯を炊く
  • 食材の買い物

雑感

掃除洗濯精一杯

 終業ののちランニングを終え、買い物を済ませ、晩ご飯を食べ、翌日の豚汁の仕込みをして、さて日記を書き始めようとPCの前に座ったらもう10時前だった。これでは日記に時間などかけていられない。生活をするのはたいへん。

生活の向上

 豚汁を作るのも慣れてきたのだが、今度はだんだんこればかりの食事に飽きてきた。じゃがいもと人参を入れる煮込み料理、ということで次はカレーに挑戦しようと思う。といっても難しいことはないだろうが、私の家には寸胴鍋がない。これまではフライパンで豚汁を作っていたのだが、底から半径が広くなっていく構造上水かさが確保しづらく、煮込み料理で食材が水分に浸らないのは致命的であるように思う。土曜日も忙しくなりそう。
 というかそもそもスプーンもフォークもない。以下買うものリスト。

  • スプーン
  • フォーク
  • お茶碗・お椀・お皿
  • 寸胴鍋

彩り

 スーパーに寄った際にみかんが目に入ったので買った。このところ果物を全然食べていなかったし、そうであればビタミン不足も目に見えていたというのもある。そもそも果物を食べる習慣があまりなかったので、果物の存在自体が思いがけず新鮮で、買った理由としてはこれが一番大きい。
 家に返って夕飯を作って盆に並べ、そこにみかんを一つ乗っけてみたところ、それだけで夕飯がぱっと華やいだように感じた。日頃のルーティーンに遊びを一つ加えるのは大事だなと思った。

良いツイート

聴いたもの

2Pac - Me Against The World

 ウマ娘エアシャカールというキャラクター(実在の馬)が2Pacの本名Tupac Shakurから来ている、というネタはそこそこ有名であるが、今日のアップデートで同ウマの持つPCに"All Eyez On Me"オマージュのステッカーが貼ってあった、と話題になっていた。そういうわけで2Pacを聴きたくなり引っ張り出してきた。"All Eyez On Me"にしなかったのは聴く前から名作だと明らかだったため。
 数年越しに聴いたら何か変わっているかと期待したのだが、何も変わらない。良い曲は良いしそれ以外の曲は全然面白くない。好きな曲は変わらず"It Ain't Easy"。別に今聴きたい音ではなかったな。

Radiohead - KID A MNESIA

 Radiohead電子音楽に大きく舵を切った"Kid A"と"Amnesiac"の21周年記念作。同時期にレコーディングされたという両アルバムに加えて、同セッション内で制作された未発曲が収録されている。実を言うとAmnesiacはこれまでほとんど聴いたことがなかったのだが、Stephan MathieuがKid Aとともにフェイバリットに上げていたことから今回聴くことに決めた。
 "Amnesiac"が良いアルバムすぎる。(オルタナティブ)ロックの骨格を残したままジャズ・ブルースの要素を電子音楽の美学で翻訳した結果なのか、今聴いても全然新鮮な音が鳴っている。"Pyramid Song"なんて何回聴いても息が止まる。
 未発曲では"Like Spinning Plates(Why Us? Version)"がいい。アルバム版に比べてピアノが前に出てきている分聴きやすいし、"Pyramid Song"と"Street Spirit (Fade Out)"の中間のような荘厳さと親しみやすさがある。リリース前にMVが公開されていた"Follow Me Around"は"OK Computer"寄りの音だがRadioheadのメロディメーカーとしての才能が光る。

Al Quetz - Habanología

 フランス人ビートメーカーAl Quetzによるアルバム。ハバナという都市が好きすぎて観光地的ではない、紋切型でないハバナの魅力を音楽にしたいという気持ちがあふれてアルバムになったらしい。
 風通しの良いビートを聴きたい気分にばっちり合う。ローファイヒップホップにキューバ音楽の要素を融合させたトラックが強い。幾分か季節外れではあるものの、どうせ外には出ないし家では暖房を焚いているので別にどうということはない。

読んだもの

jp.reuters.com

note.com

 気がつけばそんな季節。このランキングに載っているもののうちいくらかは見覚えがあるのだが聴いたものは少なく、話題は適切に追うようにしなければ……と思った。

anond.hatelabo.jp

12/14

できたこと

  • ラジオ体操
  • ランニング
  • 豚汁を作る
  • ソファを搬入する
  • ディスプレイを搬入する
  • 実家の私物を持ってくる
  • 買い物をする

雑感

生活における贅沢

 「早起き」の定義は自分の中では5時半であり、それに伴って就寝時刻は10時半を目指していたのだが、自炊生活を始めたとたんにそれが不可能であることが分かった。早寝早起きは暇人の贅沢。あるいは途方もない努力。

降雪

 新居への荷物搬入を待ったかのように雪が降った。起きると外が白い、というのは何度見ても壮観で見飽きることがない。そういえば冬靴を買っていないので今シーズンは夏靴のまま過ごすことになりそう。大丈夫なんだろうか。

破風

 ランニングを再開した。さすがに寒いだろうかと思って出かけたのだが、ウインドブレーカーを一着着ているだけで外の寒さを一切感じなくなったので本当に感動した。体感の寒さというのは外気温よりも風の強さに拠るところが大きいのだなと思った。

 ランニングの途中にスーパーに寄って豚汁の具材を買い足した。しばらくはランニングと買い物がひとまとめになるだろう。

自慢

 家にソファと大型ディスプレイが届き、環境が完成したので、平日にも関わらず友達を呼んで自慢した。家に良いものを揃えたら人を呼んで活用したくなるのは自然の摂理。電動リクライニングつきのソファは正直朝寝以外あんまり使わないだろうが、置いてあるだけで部屋が華々しくなるし、メンタルが下がった時にはそこで不貞寝することもできるだろう。部屋は私のシェルターであり、心がフラットな状態を維持するだけでなく、下がった時に受け止めてくれるものでなければならない。よって部屋にはやや過剰なくらいにものを置くのが正しい。ごみ屋敷にならない程度に。

 泊まっていってもいいよとは言ったのだが、けっきょく夜には別れた。早く金曜日が来てほしい。誰かを家に泊めたい。

ボーナスタイム

 賞与が出た。一年目だしまあ出てもちょっとだろうな……と思ったら想像以上に入っていて、支給日の朝、口座残額を見た時に思わず笑い声が出てしまった。そして今日で四日が経ち、そのほとんどが消えた。というか一人暮らしに必要な調理器具と食器、半年以上買っていなかった服、それにディスプレイを買い、初賞与ということで父親に贈り物を……とやっていたら必然的に使うことになり、ここまで使ったんだからもうちょっとくらいいいやという気の緩みがそこに加わった。もう本当に全然残っていなくて、こんなことしていいのかと不安になるのだが、今年は忘年会もないし、しばらく使う予定もないし、ちょっと困ったときに出せるくらいの額は残っているのでよしということにする。

www.lg.com

 これを買ったのが大きかった。ディスプレイは今後ずっと使うだろうし、せっかくなら上映会に使えるちゃんとしたやつが欲しかったから……。

良いツイート

 これが公式から無邪気に発せられているというのが凄い。

聴いたもの

Mdou Moctor - Afrique Victim

 ニジェールトゥアレグ族ギタリストMdou MoctarがMatadorからリリースした作品。みのミュージックでも紹介され、Pitchfork・Vinyl Factory・The Guardianなど主要音楽誌の2021年ベストアルバムランキングでは軒並み上位に食い込んでいる。
 アフリカ的なフレーズをサイケデリックロックのテンションに乗せて弾くといったようなもので、それはもう思いっきり弾き倒しているのだが、サウンドにグルーヴ感があって懐古的な音楽に終わっていないところが良い。ロックの延長にありつつ、ハンドクラップやタイトなドラムの刻みはニューウェーブやポストパンクのようなテイストも感じさせる。今後のさらなる洗練も期待でき、聴いていてとてもワクワクするアルバム。

 EMAの炉心融解。アタックの強いピアノリフにドラムンベースというサウンドは改めて聴いても全然古びたように感じない。というかボカロクラシックは特段音楽的な共通点を持たないし、ドラムンベースという手法が古びていない以上この楽曲が古びる道理もないのだけれど。強いて言えばカジュアルなポップさ、風通しの良さのようなものがない、というのは一つの時代の特徴として言えるだろうか。

Lavonz - Uncut Gems Vol. 2

dansudiscsuk.bandcamp.com

 UKG圏で話題になっているUKGプロデューサーLavonzの未リリース曲。20年前に作られた楽曲とは思えないタイトなリズムと強いベースで楽しく踊れる。このDansu Discsというレーベルであるが、現行UKG名門のShall Not FadeやCheeky Music GroupからもリリースするHarrison BDPやYoshであったり、日本のプロデューサーKeita Sano、DJとしての活動が有名なChrissyなど錚々たる面々が揃っていて動向が気になる。

読んだもの

room.commmon.jp

 "無謬性の克服"はかなりいいテーマだなと思った。東浩紀の提唱する「訂正可能性」と表裏を張れる。

room.commmon.jp

松田:だってね、建屋が吹っ飛んで上部には瓦礫が乗っていますと。で、それをどけなければ話が始まらないんですけど、瓦礫を動かしたら他の瓦礫が崩れて放射性物質を撒き散らしかねない、だからそこにある物全ての力学を計算してからじゃないと、一つ目の瓦礫に触れることさえできないんですよ?

 この"簡単な"という言葉がどれほど絞り出すようにして発せられたかということに思いを馳せてしまう。

pitchfork.com

kasasora.hatenablog.com

mikiki.tokyo.jp

agora-web.jp

12/12

できたこと

  • 食べ物と調理器具を買う
  • 荷物を展開する
  • オーディオとPCをセットアップする
  • ご飯を炊く
  • 出汁を取る
  • 豚汁を作る
  • ウォークマンを修理に出す

雑感

新生活

 全ての私物を運び込み、ついに一人暮らしスタートと相成った。一人の部屋は静かでいい。どんな音楽をどんな音量で鳴らしてもいいし、居間で踊っていても誰も見ていない。家事を自分でこなすことを億劫に思うかとも危惧していたが、裏を返せば好きな時間にご飯を食べたり掃除をしたりできて、それも音楽をかけながらやっていいということであれば何も問題はなかった。とても楽しい。

 昨日は昔のバイト先の後輩たちに誘われて飲みに出かけた。みんな思ったより私のことを覚えていて嬉しかった。私がメニューを見て選んでいたらこちらを一人がじっと見ていて、何かと尋ねると「久しぶりすぎて見てるだけで面白い」と言われた。あまり褒められていない気がするが、その後二次会でバーに行ったところ深酔いしてしまって、会話に一切加わらずに店内BGMに合わせて踊り出したり、一人で無心にダーツをやり続けたりとおよそ社交的とは言えない行動に走ってしまったので、挙動は疑いなくおかしいのかもしれない。

自炊

 一人暮らしを始めたら自炊をすると決めていて、その通りに炊飯器でご飯を炊き、土井善晴のレシピを参考に豚汁を作った。ちゃんと味噌は分量を測って漉し器で漉したところがポイント。ご飯は試しに二合炊いたが、申し分のない炊き上がりで満足の味だった。豚汁は夕飯を食べたあとで、初めてということもあり手間取りまくったせいで完成したのは八時前、しかも洗い物は全て終わっている……という状況だったので、今日は一旦休み、明日ゆっくり食べることにした。明日の朝食に白米と合わせて食べるのが楽しみ。

良いツイート

 これはすごくわかる。ハウスに合わせて右、左とステップを踏む時の感覚はだいたいこういう感じ。

聴いたもの

Brooklyn Groove Machine - Deja Vu - Yvonne Turner Baby Powder Mixes (EXCLUSIVE)

 ディスコの大作家Randy Mullerによる楽曲の、Yvonne Turnerなる人物によるリミックス。正直全然わからないが、ディスコのポジティブなエナジーを凝縮したような、凄まじい喜びに満ちた楽曲。

 今日は外に出ている時間が長く、ウォークマンを修理に出してしまったせいで外でのリスニングができなかったのと、家ではずっとVの配信を観たりオーディオの不調の改善に取り組んだりとやることが多かったため、全然音楽を聴けていない。気になる音はたくさんあるので明日また聴く。仕事中に。

読んだもの

shonenjumpplus.com

12/9

できたこと

  • 美容室に行く
  • ラジオ体操

雑感

水を差すこと

 好感を持った人をすぐに信じてしまう習性がある。「この人の言っていることなら正しいのだろう」と試聴もせずに音源を買ったり家具を買ったりなどとしていて、結局失敗だった……ということが頻繁にあるのだが、どうもなかなか直らない。

 で、音楽についても話は同じで、この人はと畏敬の念をもってツイートを追っていた人がいた。しかし、その人のツイートがバズった際、別の人がそのツイートにドライな言及をしているのが見え、その瞬間に盲目的な畏敬がスッ……と引いていくのを感じた。同時に、どうして私はこの人を狂的に信じていたのだろう、なぜ自分の物差しより先に他人の物差しを当てていたのだろう……と思い、正しく"目覚めた"実感が湧いてきた。

 水を差されること、一方向への熱狂に対して別の角度からの言葉を目にすることはとても大事だなと思った。特に私のような人間は特に。外的なもの、具体的には複数のコミュニティに所属することで、常に自分の物差しを調律する、というか。調律というのはちょうどいい言葉だな。

美容室

 行ってきた。一か月ぶりだな~と思ったら二か月ぶり。自分の時間感覚は全くあてにならないことを悟った。

 『ニューロマンサー』を読んでいたのだが、前髪を整えるときに液晶に細かい髪が落ちてくるし、何より眠くなってくるので途中で諦めて端末を置いたところ、美容師さんが結婚の話を始めた。「良い人と結婚できそう」とのこと。興味ないですね、今はそういう予定はないですね、他人と同じ家で住むのはちょっと、などと言ってもなかなか開放してくれない。
「どんな人がタイプなんですか?」「うーん……話が通じる人ですね」「最低限じゃないですか」「大事ですよ」「見た目だと?」「テレビを観ないので例えられませんが、見栄えの良さって住まいをともにする相手の評価軸に入るんでしょうか」「この前のお客さんは一目ぼれで結婚してました」「それは……ギャンブルですね」始終この調子である。一緒に生活を共にする人間が話が通じないとはどういうことか、この人には想像もつかないのだろうと思った。その美容室は母親も通っている店で、母親はそこでは子供想いの献身的な母ということになっている。まさか対話不可能の陰謀論者だとは思わないだろう。私がこういう返しをする理由がこの人に由来するとは思わないだろう。

 結局カットが終わるまでずっと婚姻の話をされた。あなたも私よりずっと年上で未婚なのになぜ私の結婚市場における価値にこだわるのかと不思議でならない。

 帰り道はすっかり暮れていて、三日月をやや太らせたような上弦の月が出ていた。低いところに浮かんでいたせいか大きく見えたからなのか、学芸会の体育館のステージに吊り下げてあるちゃちな作り物に見えた。

良いツイート

そんな……

聴いたもの

チャットモンチー - 生命力

 父親(ギター趣味のBeatlesマニア)からチャットモンチーの名前が出てきて、そんなのも聴くんだと言ったところ「ギターの音がいい」と返ってきて、そうだったかなと引っ張り出してきた。
 ギターの音については正直分からない。ギターの音への解像度が低く、そう言われたらそうかもしれない……という程度。ただ楽曲は凄まじく良い。一曲目「親知らず」から五曲目「手のなるほうへ」までの流れなんかは神がかっている。ボーカルのどこか幼いような切迫した歌声に息が詰まる。

Calibre - Shelflife 7

 UKダンスミュージック職人Calibreの新譜。一つ前のアルバム"Feeling Normal"が全編BPM140で統一されていたのに対し、このアルバムの基調はBPM170。ハウスリスナーの感覚からするとかなり高速のドラムンベースアルバムに感じられる。

 音は安定のクオリティ。ドラムンベースとUKサウンドに求める硬質なビートに強烈なベースが楽しめる。作家のカラーというより、快楽性の原理に忠実、という感じのアルバムで、それだけに長く聴けそう。

Vince Watson - DnA LP (Deluxe Edition)

 デトロイトテクノに影響を受けたプロデューサーVince Watsonのフルアルバム。デトロイトテクノへの回帰を指向したとのことだが、正直なところいつものVince Watsonだなという感じがする。悪い意味ではなくて、デトロイトテクノらしいソウルフル/エモーショナルなシンセの音色にディープハウスのような繊細かつバウンシーなビートが加わり、全体として流麗なサウンドに仕上がっている。まさに職人の仕事という感じがする。

 このアルバムが凄いのは、この職人仕事のトータルレングスが2時間近くもあること。18曲のアルバムで中だるみしないというのは相当にすごい。

Somewhere Between: Mutant Pop, Electronic Minimalism & Shadow Sounds of Japan 1980-1988 by Light in the Attic Records

 日本のレフトフィールドポップ……つまりエクスペリメンタルに片足を突っ込んだような奇妙なポップミュージックを集めたコンピレーション。細野晴臣的な世界観が楽しい。タイトルにある"Mutant Pop"という言葉を見て、私は確かにこういう音が好きだなと思った。

 Mutant Popといえば去年はKATE NVのアルバムが話題にもなった。こういう質感を求める人は一定数いるのだろう。

読んだもの

ototoy.jp

www.cinra.net

12/8

できたこと

  • ラジオ体操
  • ランニング(いつもの半分)

雑感

クリスマス

 先日スーパーに寄った際にアップルタイザーとグレープタイザーが目につくところに陳列されていて、もうクリスマスなのだな……と身にしみて感じられた。自分の感覚としてはクリスマスはもうどうでもいいのだが、この季節限定でおいしい食べ物や飲み物が店に出回るのは見逃せない。そういうわけで今日は両方とも買ってきた。飲むのは明日。

今日

 仕事中のBGMにはVの配信か音楽を聴いているのだが、今日は完全に配信しか聴いていなかった。聴いていたのは以下。

  • 七詩ムメイさんのUNARCHIVED歌枠
  • ラプラス・ダークネスさんの雑談配信
  • holoXのGartic Phone
  • 来栖夏芽さん・山神カルタさんのバイノーラル配信
  • しぐれういさんとその仲間たちのASMR配信

 以上。ASMR配信は特段ASMR的な遊びをしなくても心地良く聴けるのだが、これはどうやらBGMの認知負荷がそれなりに高いということらしい。音が鳴っていれば聴かずにはいられない性分なので、声しか入っていないことが明確な音声はただその声だけにフォーカスすれば良いという点でとても自分に合っている。

良いツイート

好きな悪ふざけ

かなり面白かった

Don't Stop Me Now

聴いたもの

Tom Carruthers - Non Stop Rhythms

 NYハウスの中でも特にドラッギーな作品で知られるL.I.E.S. Recordsの最新リリース。特段303を使っているわけでもないのに、この世のものではないようなサイケデリックな音に感じられるところがいい。ライナーノーツによると初期ワープや最良のNu-Grooveのエッセンスを抽出したLPなのだといい、納得の感がある。リズムマシンのビシバシ鳴るスネアの力はまだ失われていない。

ゑでぃまぁこん - ゑでぃまぁこん

 Bandcampアカウントが開設されたとの報がTLにRTされてきて、興味本位で聴いたところ凄まじく良かった。サイケデリックなフォークなのだが、バックグラウンドはどことはっきり突き止めることのできない独特の音使いが耳を引き付ける。天界の青葉市子と同じ場所から降りてきたような音。他にもいくつかのアルバムがあったので聴いてみる。

TAKU INOUE & Mori Calliope - Yona Yona Journey

 イノタクさんと森カリオペさんのコラボ曲にして、イノタクのメジャーデビュー作「ALIENS EP」からの先行トラック第二弾。いつものイノタクサウンド。森カリオペさんがこういうジャジーで躍動的なトラックの上でタイトにラップしているのが嬉しい。

 以下ざっくりと。

 現代ハウスミュージック筆頭Crackazatが毎週月曜日にリリースしているソロライブ音源Monday Jamsの第七弾。後半になればなるほど良くなってくる。

読んだもの

jaco.udcp.info

president.jp

12/7

できたこと

  • ラジオ体操
  • ランニング

雑感

動員

 早川と樋口恭介がまとめて炎上していて、フォロイーがそれに積極的に言及していたのでついついツイートを辿ってしまったのだが、完全に良くないインターネットの使い方だった。
 激しい悪意の応酬を目にしていると、たいして抱いてもいなかったはずの闘争心と悪意が掻き立てられてくるようで、瞬く間に頭に血が上った。しかし上ったところで書くこともないので、ただ感情を意味もなく揺さぶられ、スピーカーで流していた新譜の音も耳に入らず、ただスマートフォンを握りしめてツイートを辿り続けるだけで無為に時間を浪費してしまった。何をやっているんだろう。
 インターネットの悪意に動員されてはいけない。戦うのは他の人に任せればいい。戦う時が来るのだとしても、少なくともそれは今ではないし、戦場は断じてインターネットではない。

taknalanai

 taknalというアプリがある。自分のおすすめしたい本とその本についての一言メッセージを登録し、外を出歩くことで、同じようにアプリをインストールしている人のところに自分のおすすめ本が送信され、同時に相手のおすすめ本を自分の端末に取得できる。顔も名前もバックグラウンドも場所も分からない誰かの無作為な布教が連なったタイムラインを眺めることで、まだ見ぬ面白い本に出会うことができ、名前の通り本が読みたくなる……というアプリであるのだが、この頃は全然開いていない。
 自分が家に無数に本を積んでいるという時に、信頼のおけない他者の布教を受け入れる余地があるだろうか。自分の好きな人の布教というならまだしも、このアプリの布教者は完全に匿名である。自分の本棚とTwitterのTLに流れてくる面白そうな本を追いかけるのに精いっぱいで、アプリからのインスピレーションを受信するリソースが私にはもはや残っていない。

 では音楽は?よく知らない人のツイートでも聴きに行くのでは?と一瞬固まったが、これも微妙だな……と考え直した。Bandcampツイートでなければほとんどは聴かない。知らない人のストリーミング埋め込みツイートを聴くなら、自分でSpotifyを開いてAIのリコメンドを聴くのとたいして変わらない。

良いツイート

 Twitterの動画だけを見ると引き込まれてしまうのだが、YouTubeで10分ある演説全てを聴くと、後半でいかにも極右の匂いが強まってきて首を傾げてしまった。

 そういえば母親のTwitterアカウントを見つけた。これで陰謀論のトレンドも分かるというもの。母親が好きなTwitterアカウントは以下。

twitter.com

twitter.com

聴いたもの

秋田昌美石橋英子 - 公園兄弟

 Merzbow名義の活動で知られる秋田昌美と、ドラマー・ピアニストであるらしい石橋英子によるコラボアルバム。エクスペリメンタル名門Editions Megoからのリリースで、先日運営者が亡くなり、記事がいくつか出たのを機に興味を持って買ってみた。

 正直まだよく分かっていない。ノイズというにはチューニングのなされた楽器やシンセサイザーが使われているし、ドラムの激しい演奏もある。良い悪い以前に、要素が多くて適切にほどけていない感じがする。家で聴くのは憚られるので新居で改めて聴こうと思うが、理解できた部分だけで言えばかなり面白いと思う。ノイズもただのノイズではなく、何やらエモーショナルな指向性があり、全体として聴きやすく纏めようとする意思が感じられる。その親切なポップさと噛み合っていないだけなので、もう少し取り組んで噛み合うのを待つつもり。

The Harmonic Series - Curated by Duane Pitre

imprec.bandcamp.com

 先日の最新作が出色の出来だったDuane Pitreによる、純正律をテーマにした楽曲のコンピレーション。Kali Malone、Duane Pitre、Tashi Wada、Caterina Barbieriなど、私でも名前を知っているような錚々たる面々が揃っていて、選者の感性を含めてもこれは間違いない……と試聴もせずに買ったのだが、全然良くなかった。どうして?

 楽曲の長さということもあって、私はEliane Radigueの初期~中期的な太い低域を持つ圧迫感のあるドローンを期待していたのだが、ここで展開されているのはこの頃のJim O'Rourkeや、Eliane Radigueの死後リリースされた"Occam Ocean"的な、中高音の楽器複数からなるアンサンブル的な持続で、ただただ趣味が合わなかった。これに関しては全然だめだと思いつつ、数年後に改めて聴いた際の再評価が期待できそう。しばらく寝かせる。

Kolonel Djafaar - Cold Heat

 ベルギーのバンドKolonel Djafaarのシングル。今年の五月リリース。音楽性は主にエチオピアンジャズや中東音楽に影響を受けたような骨太のファンクで、バリトンサックスとトロンボーンからなる地響きのような中低音のフレーズがたまらなくかっこいい。分厚い音に否応なく踊らされたい時には最適の一枚。

読んだもの

 樋口恭介のnoteと早川書房の謝罪文を読んだが、片方は消え、片方は大したことは書いていなかった。実質的には何も読んでいない。