雑記

__blurry_のおぼえがき

11/22

できたこと

  • ラジオ体操
  • 目薬の補充

雑感

今日

 昨日の就寝は十一時半、起床はちょっとずらして朝六時。それでもやはり睡眠時間が六時間半を切った日が二日続いているのはもう完全にアウトで完全に体調が終わっており、朝寝でもどうにもならなかったので、仕事の休み時間に寝てかろうじて回復させた。寝不足の状態だと仕事が全く手につかないし、何をしなければならないのかすら分からなくなる。無理矢理時間を作ってでも休息を取るのは大事。

 学生時代には講義中に寝ることでこの体調不良を回避していたが、仕事となると否が応でも向き合わざるをえなくなる。こればっかりは学生の頃に戻りたい……。しかし、戻ったら戻ったで、今度は早寝早起きなど夢のまた夢に遠のくだろう。妥協案としては、仕事の昼休みにシエスタの時間を取る……とかだろうか。テレワークなので、勤務時間中にリスクを取ってでもやる意思があればいくらでも実現できるけれども……。そうはしない良心的な人はモンスターエナジーを飲むのだろう。一つの理解を得た。

良いツイート

 Redがインプロビゼーションの極致というのは"Providence"のことだろうか。確かにあの楽曲は"ロック"のぎりぎりのところで鳴っているし、"Starless And Bible Black"より尖っているという言い方もできるかもしれない。

聴いたもの

Gas - Pop

 引っ越しの作業中にGas名義のプロジェクトを纏めた"Nah Und Fern"が掘り出されたので、再評価……という気持ちでリトライ。

 Gasと言えばサンプリングしたオーケストラのぼんやりしたサウンドに無味乾燥な四つ打ちというスタイルなのだが、この"Pop"に関してはオーケストラサウンドの処理が他の作品とはやや異なり、ローファイで電子的な粗が目立つような鳴り方をしている。それ以前の作品、例えば"Königsforst"などはもっとオーケストラサウンドのレイヤーをことさら意識させない、捉えどころのない音として扱っていたのだが、この作品、特に最終トラックでは、ざらついた質感を強く意識させるような処理がなされている。そしてそれに気がついた瞬間にこのアーティストの作品群の聴取の仕方が分かった。つまり、「サンプリングされたオーケストラサウンドと四つ打ち」を楽しむのではなく、「そのサウンドがどのように処理され、どのようなテクスチャーを持ち、どの音域が機能しているか」のレベルまでの把握を、Gasはリスナーに求める。四つ打ちのトランス感覚に酔いつつ、同時に分析的な聴取を求めるという二面性がとても面白いなと思った。これを書きながら"Königsforst"を聴いているが、やっとこのアーティストの魅力が分かってきたように感じる。

Duane Pitre - Omniscient Voices

 Eliane Radigueなどをリリースする電子ドローンレーベルImportant Recordsの新譜。メロディ寄りのシンセアンビエントが形成する抒情的な空間の上で、純正律にチューニングされたピアノがなんとも言いがたく不協和で格調高い音を奏でる。平均律から外れた音律のアプローチでは、やはり様々なアーティストの手になる微分アンビエント・ドローンが連想されるが、ここではシンセは平均律のまま、ピアノの音律だけが純正律にチューニングされ、音のテクスチャーと音律のそれぞれに複数のレイヤーが重なった構造になっている。シンセの柔和な音色と硬質なピアノの響きは心地のいいコントラストを生み出しており、そこに純正律平均律のぶつかり合いが加わることで、適度な緊張感が生まれ、新鮮なリスニング感覚を生んでいる。ピアノを用いたアンビエントのシーンでは、ゲームチェンジャーに成りうる一枚だと思った。

arco Simioni & Mattia Saviolo - Zeitgeist: Ambient Music from 2012 to 2020

 Mille Plateauxからの新譜。Ben Frost的な圧のあるドローン・アンビエントを基調に、不規則なビートやアンビエントテクノ的メロディも要所要所に登場する、いかにも"電子音楽"的な作品。硬質な質感が聴いていて心地いい。

Coldcut & Mixmaster Morris - @0

 Coldcutによるアンビエントコンピレーション。タイトルは要するに精神的にぎりぎりの地点、それ以上下降すると躁鬱に陥るような状態のことを指し、アンビエントは聴取の負荷が小さいため、そのような状態にあっても聴くことができ、この地点からそっと正の方向へ引き上げてくれるのだという。アンビエントは聴取カロリーが小さいという部分は分かる。本当に追いつめられると音が耳に入ってこなくなるので、そうなる前に聴けということだろう。

 中身はひたすらに気持ちいいメロディアスなアンビエント坂本龍一の新録があることからも分かるように、硬質なヒーリングピアノ的音楽もあるし、Laraajiのバレアリック/ニューエイジもある。「アンビエント」というジャンルの、優しいサウンド方向の広がりを一望できる作品。29曲もあり、仕事をしながらこれを聴いていたら一日が終わるだろう。それくらいの時間を聴いていられる程度には強度のある楽曲が集められており、よくもまあこのサッカリンに陥りがちなジャンルで集めたな……と感心してしまう。

Sissi Rada - Nanodiamond

 ドイツの電子ジャズレーベルKryptoxの新譜は、現代クラシックのハープ奏者Sissi Radaの作品。クラシックの教育をバックグラウンドに持ち、電子音楽やジャズシーンで演奏する傍らオーケストラでも演奏しているという経歴にたがわず、ジャズやロマン派の抒情的なフレーズをハープで奏でつつも、電子音で作られたトラックはアブストラクトで奇妙な音色があちこちに配置され、単純な理解を拒む。しかし裏を返せば、電子音楽的なとっつきづらい音色をハープが緩和していると見ることもでき、事実この甘さと硬質さのコントラストがアルバムの大きなテーマとなっているように感じた。普段あまり耳にしない質感を楽しく摂取できる楽しいアルバム。

 以下ざっくりと。

 白上フブキさんのシル・ヴ・プレジデント。「上手い歌を聴かせる」のでなく、「歌唱表現を通じてシンガーのパーソナリティを表現する」という方向にパフォーマンスを全振りしており、P丸様。の志向する歌唱表現への理解度が高い。ついでに言えばその歌唱のそつのなさ、奥行きのなさ、楽曲が求める最低水準以上の起伏のない歌い方は、「白上フブキ」というキャラクターの奥にあるものを見せまいとするプロ意識まで感じさせるようで、なんだか良いなと思った。

読んだもの

www.genron-alpha.com

www.baberarecords.com