できたこと
- 洗濯
- 料理
雑感
冷凍食材
先日母親が「今後物価が高騰するから」と言って冷凍食品をたくさん持ってきてくれたのだが、その中に玉ねぎのみじん切りがあったのでキーマカレーを作ってみた。冷凍食品なんて所詮は冷凍だから物は良くない、やっぱり手作業でやったものが一番……と正直思っていたし、実際自分で料理する時は毎回生の食材を買ってきてみじん切りなり何なりの調理をしていたのだが……正直自分でみじん切りにするよりずっと粒が細かくておいしかった。鮮度も全然気にならない(そもそも強火で炒めて散々煮込んでいるし)。今後はもう野菜は全部冷凍で買ってきたものでいいかもしれない。生野菜は贅沢。
NISA
母親から電話が来て何も考えずに出たのだが、「月曜日にはNISAが暴落する、もう手遅れかもしれないが現金化しておいた方がいい」との忠告を30分近くにわたってこんこんと聞かされた。これまで会うたびに何度も言われていたのを面倒でそのままにしておいたのだから、痺れを切らした向こうがこうやって言ってくるのも自然なことではある。これは電話に出た自分が悪いとはいえ、こうやって長電話されると気が滅入ってしまう。半ば説教のような内容だけで30分~1時間吹っ飛ばされるリスクを考えると、今後は電話に出られないかもしれない。
それはそれとして旧NISA・新NISAの切り替え?とか仕組みの違いが何も分からなかったので、証券口座を久しぶりに開いた。別に減っているというほど減っているわけでも、増えているというほど増えているわけでもない。入れただけの額と多少のプラスがあるかなという感じ。母親から散々「これからはお金に働かせる時代」と説かれて、周りがやっているのも見てようやく始めた資産運用だったのだが、その本人から辞めるように強いられるというのは皮肉ではある。相互の方にもアドバイスしてもらいつつ、新NISAへの移行が済んでいることは確認できたので、旧NISAの売却以外では当分は証券口座は見ないことにする。
喫煙習慣・着火習慣
最近は時々煙草を吸う。さすがに部屋にヤニの匂いや色は付けたくないので、キッチンに移動して換気扇を最大出力にした上で一服している。壁紙の汚れはリスクとしてあるが、正直キッチン周りは油跳ねですでに汚れているので今さらではある。このままではニコチン中毒になってしまう……と思ったが、1日に1本も吸えばいい方で、別に吸わずとも、ライターの火をつけてぼんやり眺めていたらそれだけで謎に満足してしまうこともある。かっこよさという自己満足のために喫煙をやっている節があるのだが、持っているサロメのライターがかっこよく、蓋を開けた時の金属音や着火する時にローラーを回転させる動きだけで欲求が満たされているのかもしれない。
聴いたもの
Lee Perry - Super Ape
70年代前後のアルバムについて、どうも音量を上げてスピーカーで鳴らすとかっこいいことが分かり、急に旧譜の再評価の季節に入ってきている。今日はダブを聴いた。黎明期ダブと言えば大麻だとか狂人だとか、とかく常軌を逸した感性が強調されがちなのだが、正直そこについては良く分からない。単にいいダブだなと思いながら聴いた。
The Upsetters - 14 Dub Blackboard Jungle
これもLee Perryもの。最初期のダブ作品らしい。良いダブね(語尾)。
Jane Remover - Revengeseekerz
待ちに待ったJane Remover新作。Rage Beat的な飽和した音場の上に高音でビビッドな音色のシンセのメロディを複数重ね、サウンドの"中心"のない、デジタルデータが渦巻くような浮遊感のあるサウンドがかなり好みだった。Venturing名義でやったような90'sオルタナ的な枯れた情感のギターが最前線の電子音と融合することで、ヒップホップにロックの力強さが加わっているのも嬉しい。
Killswitch Engage - Alive or Just Breathing
このところメタルコアの話題がTLに流れてきていて、じゃあちょっと勉強するか……と思い立ち『現代メタルガイドブック』のメタルコア関連の章を開いた。これがメロディック・メタルコアの古典、つまり現代のメタルコアの基礎となった作品らしい。「メタルコア」という単語からイメージするブレイクダウン(4ビートに合わせてギターがトレモロで刻むパート)やグロウルがある。曲は良いのだがクリーントーンの比率が高いのが気になってあまり刺さらず。グロウルがサビのクリーントーンを引き立てるフックになるような構成はあまり好きではない。
All That Remains - This Darkened Heart
名盤らしい。メロディアスながらヘヴィでエモーショナルなギターリフとコード進行、おそらくメロデス由来であろう抒情的なギターソロパート、何より全編グロウル主体のボーカル。ブレイクダウンの刻みは「メタルコア」という単語から期待していたほどには細かくはないが、3曲目"Vicious Betrayal"のようなスクリーモ路線の音楽として聴けばむしろメタル要素とハードコア要素のバランス感が取れていてちょうどいい。メタル系統のポップミュージックとしてはこれくらいが一番いい塩梅。
Trivium - Ascendancy
1曲目が抒情的なピアノのインタールードで始まり、2曲目に突入した途端に期待通りの「メタルコア」の細かい刻みとバスドラの連打が叩き付けられる。ここまで来るとモダンさも感じてかっこいいのだが、クリーントーンのパートに入った途端にテンションが下がってしまう。この音楽性のままクリーントーンを減らしたような作品があれば最高だが、探せばいくらでもあるだろう。好みの軸が分かったのでお勉強としては充分。
As I Lay Dying - An Ocean Between Us
2000年代代表メタルコアバンドの純度100%のメタルコア作品(と本に書いてある)。ここまでの作品より刻みが細かく、メロディアス要素は薄く、ハードコア要素もより尖っていて嬉しい。クリーントーンが入ると「違うな」となってしまうのは上に同じ。
Converge - All We Love We Leave Behind
メタルコア=メタリック・ハードコアらしいという話を読んで久々に聴いた作品(実際はニュアンスに違いがあり、メロデスの影響があるものがいわゆる"メタルコア"、ハードコア要素が強いものがメタリック・ハードコアらしい。納得感はある)。
手持ちのアルバムの中でトップクラスに理解の難しいアルバムだったのだが、マスコアやConvergeの旧作、アルビニ録音のポストハードコアを通ったことで耳が鍛えられたのか、今聴くと素直にかっこいいと思えた。いわゆる名盤"Jane Doe"と比べるとハードコアパンクの疾走感が薄くなった分、ポストハードコアの激情の要素とメタル的な遅めのパートの比率が増えており、より強くエモーションが強調されたサウンドになっている。そしてプロダクションがいい。ドラムのスネアやタムがアルビニ録音のようなふくよかな鳴りをしていて、暴力的なバンドアンサンブルの中でもマシンガンのような乱打が耳に気持ちいいし、比較的シンプルなフレージングのベースも、忙しない展開と手数の多いドラムの動きをしっかりと下支えしている。カオティックハードコア/マスコアの名に恥じない目まぐるしい展開と音がギチギチに詰め込まれたサウンドを楽しみつつも、王者の貫禄と余裕を感じさせる作品。
Harley Gaber - The Winds Rise In The North
名盤らしいということで先日購入した作品。Eliane Radigue "Occam Ocean"のような、ストリングス5重奏による長尺ドローンだが正直全く理解できず……。ダイナミックレンジが小さいのか音量を上げても迫力が出ず、何をもって凄いとされているのかの片鱗すら掴めなかった。というか自分のミニマルミュージック/ドローンへの興味関心が低音の扱いに向きすぎているのかもしれない。
……と思っていたのだが、5000円も出して買ったものを理解できないなんてさすがに悔しいのでインターネットで感想文を漁っていたところ以下のページがヒットした。
膨大な数の現代音楽や前衛的な電子音楽のリリース情報と丁寧な感想が整理されたサイトで、見ても自分が知っているアーティストの情報はごく一部しかない。相互の人の話だと15年以上前からあるサイトらしい。このサイトの感想文の中にあった「悲痛さ」「高音偏重の器楽編成」「金属摩擦ドローン」という単語をヒントに改めて聴いてみると、さっき聴いた時には美しくも何ともなく、ドローンですらないと思っていたサウンドが驚くほどに理解できるようになっていた。弦の摩擦の中から音響的に荒んだ部分、非弦楽的で非アンサンブル的な要素を強調した、無機的な音塊が偏執的に持続する。現代における様式化された"ドローン"の芳醇な響きの対極にある、凶暴な音楽だと感じた。
こういった他者の言葉に触れなければ自分の中の凝り固まった"ドローン"観だけで判断してしまうところだったし、そういった点でもとても勉強になる一作だった。逆にわが身に照らしてみれば、やはり自分なりに音楽を言葉に落とし込むこと、理解に困った誰かのために導線を残しておくことは今後も続けていきたいと感じた。
Carcass - Symphonies of Sickness
エクストリームメタルのお勉強。Napalm Deathのファースト・セカンド的なグラインドコアの力押しでカオティックな要素と、ヘヴィメタル的な(この"ヘヴィメタル的な"は"なんか良く分からないがクラシックなメタルっぽい"に置き換えられる)おどろおどろしさ・勇ましさがまだらとなった緩急の激しい構成の中を、時折鋭利で端正なギターソロが涼しげに駆け抜けていくといったような音楽性。前作"Reek of Putrefaction"はもっと曲が短く、1~2分以内の尺をほとんど壁のような勢いの演奏(言い換えるなら前方に疾走するのではなくバーナーを噴き上げながら猛烈に上昇していくような)演奏だったことを思えば、この作品は前作のパワーを継承しつつコンポジションやゴシック要素に力を入れたと整理できる。後年にどの要素がどのような人を惹き付けどのようにジャンルとして分離していくのかが何となく想像されつつ、様々な可能性を内包した未成の混沌が味わえる点では"影響力が強い"という語りにも頷ける作品。
書いていてふと気になったが、"ヘヴィメタルっぽい"が何を指すのか自分でも全く分かっていない。サバスも3枚くらいしか聴いていないしその後のNWOBHM?は単語しか知らないし、スラッシュメタルもメタリカしか分からない。こんな状況では聞こえてくる音の腑分けが出来ないのも当たり前で、そのうち勉強するか……とは思いつつ、なんか厄介ファンの巣窟というイメージしかない"古典メタル"を今からやるのか……という気持ちも否めない。先は長い。
Sochi - Sochimix
メキシコはグアダラハラのエクスペリメンタル・クンビアバンドSochiのファーストアルバム。グアチャラカはもちろんのこと、アコーディオンやサイケデリックなキーボードの使い方がしっかりとクンビアの出自を感じさせつつ、ギターの空間系のエフェクトや歪んだ轟音、ドラムのどこか軽やかな音色からはポストロックの色が濃く出ている。ラテン系のロック(特にチリのインディーロック)はインディーロック系リスナーの中で注目を集めている印象があるが、その中でもより土着性に寄せた作風としてかなり好みだった。