雑記

__blurry_のおぼえがき

5/3

できたこと

何もした覚えがない。

雑感

上級喫茶エクスペリエンス

 昨日は日記を書いていたら午前二時になってしまい、そこから寝て起きたら12時前だった。休日らしく怠惰に過ごしても罪悪感が湧いてこないので連休はすごい。

 起きるとビリヤニの気分だったので食べに出かけたのだがあいにくの休みで(ここ一か月ほどずっとそう)、仕方がないので近くで油そばを食べた。"油そば"という感じの油そばで言うことも特にない。

 食後に近くの喫茶店に入った。なかなかおしゃれな佇まいで、店内にはターンテーブルとレコード棚がある。ステレオからはPortisheadがかかっていて、曲を選べば確かにチルでいい具合なのだが、どうもレコードプレーヤーから流れているわけではないのが謎だった。客の入りが多い時間帯には悠長に片面20分しか聴けないようなメディアなど使っていられないのかもしれない。
 コーヒーの値段に目を剥いた。最低750円、高いものは1500円もする。ワンオペの店主こだわりの品種とドリップということでこういう価格設定なのだろうか。エチオピアのコーヒー(1000円)を頼んだ。カードがついていたので以下に引用する。

Pride of Gesha 2020 Auction Lot
Farm Reserve GVA.8 Oma Gesha 1931
"jasmine, lemongrass, hibiscus, hazelnut
Country: Ethiopia
Farm: Gesha Village
Altitude: 1909-2069masl
Processing system: Natural

 ゲシャという品種らしい。以下のサイトに大まかな説明が載っていた。

real-coffee.net

ゲシャ 1931は、ジャスミン、ローズ、ピーチ、アプリコットのような繊細で柔らかいフレーバーを特徴としています。それにモカのようなフレーバーが加わることで、独特のフレーバーを生み出しています。

 ……ということらしいが、飲んだ感想としては正直よくわからなかった。まあ普通に薄めのコーヒーという感じ。コーヒーへの解像度の低さが哀しい。
 クラフトチョコレートがメニューにあったので試しに一枚頼んだ。

 結果としてはコーヒーもチョコレートもよくわからないという感じで終わった。高級嗜好品はどういうゲームをやっているのか理解するまでに時間がかかりがち。もし本当にコーヒーのゲームを理解しようと思ったら高い豆を一袋買って分かるまで飲み続ける必要がありそう。
 さてコーヒーとチョコレートで贅沢な時間を……と思ったのだが、COVID-19の感染対策で滞在時間は一時間までとのこと。一時間もいたらその先何時間いたってもう関係ないだろうし、回転率が上がれば感染者が来店する確率も上がるだろうと思うのだが……。結局そこで斜線堂有紀「百合になる値打ちもない」を読んでいたら涙が出てきそうになったので慌てて会計を済ませて店を出た。喫茶店に一時間弱で2300円……喫茶店に一時間弱で2300円か……。品物の価格に目をつぶっても、"喫茶店"のエクスペリエンスとして一時間弱でこの値段というのは正直頷けないなと思った。

エルデンリング2

 家に帰った後はエルデンリングの二周目を進めた。マルギットを倒したところから開始し、ゴドリックを軽くのめし、カーリアとレアルカリアを平行で着手しつつ、一周目にやり損ねたNPCイベントを回収。オープンワールドの二周目はめんどくさいという発見があった。もう永遠の都とか地下墓とかやりたくないな……。

聴いたもの

Congotronics International - Where's The One?

 DeerhoofJuana Molina、Kasai Allstars、Konono No.1、Skeletons、Wildbirds & Peacedrumsという面々で構成されたスーパーグループによるアルバムで、コンゴの伝統音楽と西半球(本初子午線から西側の半球)のエクスペリメンタルロックを融合することで新しい音楽言語の創造を目指したとのこと。正直Juana Molina以外誰一人分からないし、Juana Molina自体もよく理解できていないのだが、ともかく良かった。ドラムのサウンドが独特で、アフロビートのようでありながら、Fela kutiのジャズに影響されたそれとは明らかに違う語法で呪術的にビートを刻んでいる。これまでいまいち理解できていなかった「アフロロック」という枠組みの面白さに気づかせてくれたアルバム。

Yellow Swans - Drowner Yellow Swans

 ポートランドのノイズドローンユニットYellow Swansの2007年作。William Basinskiのピアノアンビエントにあるような繊細なセンチメンタリズムを、その繊細さはそのままにノイズで表現したようなサウンド。相互の人から教えてもらったのだが、凄まじい傑作だった。他のアルバムも聴くことに決めた。

読んだもの

斜線堂有紀 - 『百合である値打ちもない』

Amazon.co.jp - 彼女。 百合小説アンソロジー | 相沢 沙呼, 青崎 有吾, 乾 くるみ, 織守 きょうや, 斜線堂 有紀, 武田 綾乃, 円居 挽 |本 | 通販

 百合小説アンソロジー『彼女。』に収録された作品。女性FPSプロゲーマー二人組の関係性が"フィクション"として受容されることのグロテスクさから"百合"にアプローチしているのだが、この問題系については正直なところわざわざ小説で読まなくても知っている。
 個人的に面白かったのはこの小説の問いの立て方。作中ではルッキズムとカミングアウトの問題が特にフォーカスされるのだが、どちらも「外部からの値付け/自己肯定」という二項対立の系で捉えられている。カミングアウトもルッキズムも、正直なところ作中ではほとんど何も解決していない(というかそれらの問題系に対して暴挙を働いている)し、解決への糸口もほとんど見えていないのだが、あくまでも"自己肯定"という系の中では解決しているように見える(見せている)。あくまでも女二人の感情と関係性、それを取り巻く外部のまなざしにだけフォーカスした書き方は半ばパンクだなと思った。