できたこと
- 残業
雑感
生存
十日ぶりの日記となるらしい。そんなに?
思い返せばここしばらく、仕事が終わったら即座に炊飯と明日の三食の仕込みを済ませ、とにかく睡眠時間を確保するために即座に就寝、という生存に全振りした生活が続いていて、スーパーとコンビニ以外で出かけた記憶がほとんどない。あったとしてもランニングくらい。シンプルにタスクが多すぎたし、白旗を上げるのも遅かった。昨日ようやく上司にこれは無理ですと上げてごっそり減らしてもらったので、木曜日を乗り切れば多少は楽になるはず。休出はさすがに申請しなかった。
このところ連日10時まで残業しているのだが、疲労感があんまりない。なぜかというと仕事しながらずっとインターネット触ったり音楽聴いたりしているから……。張りのある働き方をするべきなのだろうが、多少加速したところで終わらないのは分かっているので気持ちはどうやっても減速に傾いていく。このせいで昨日今日の食生活はちょっと乱雑になった。こうやって暮らしはなだれていくのだろうなと思った。
近況
火鍋を食べました。おいしかったです。 pic.twitter.com/Ph1an6lPxt
— 栞にフィットする角 (@__Blurry_) 2022年2月20日
友達と火鍋を食べた。ここ十日間で唯一の祝祭。本当ならもう蔓延防止措置が解除されてパーティーに通い詰めているはずだったのだけれど……。
Duane Pitreの名前は通じないが「Important Recordsの人で……」と言ったら一発で了解されるとかいうことがあり、現実でこのツーカーが発生することあるんだ……となった。Eliane Radigueのファン同士だからっていうのもあるだろうけど。
— 栞にフィットする角 (@__Blurry_) 2022年2月16日
エクスペリメンタル系リスナーの知人ができた。
- 最近のいいエクスペリメンタルの共有
- ドローンやアンビエントを詰めていくとEliane RadigueやLa Monte Youngなどの過激な古典・電子音響に立ち返るよねという共感
- アンビエントをアンビエントたらしめるのは何か
- 「全て聴く」という態度がどこまで可能か
- 札幌という土地の音楽シーンの寂しさなどなどの話をした。
現実で人と音楽の話をするという経験自体が人生の中でほとんどなかったので、自分の話が通じ、相手からも刺激を受けられるのがとても楽しかった。また話したい。
良いツイート
"同アプリ内での投稿は「トゥルース(真実)」と呼ばれ、それを拡散させる投稿は「リトゥルース」と呼ばれる"https://t.co/c1xhS58ojF
— 人間が大好き (@hito_horobe) 2022年2月22日
さすがに声を上げて笑ってしまった。
「Google検索が死につつある」という議論が米国で話題になっている。検索上位に掲載する手法が広まった結果、ユーザーが求める情報が上位表示されず、提供者目線の情報だけ上位表示される事例が頻発。商品紹介の検索はほぼ壊滅的。Google検索で補完できない情報の信頼付与への需要は今後も高まりそう
— Satoshi | Founder & CEO of Artelligence (@artelligencejp) 2022年2月20日
これとはちょっと違う話だが、アーティストについての言及や情報を集めたいと思ったらGoogleで検索をかけるよりもTwitterで検索した方が言及が引っ掛かりやすい。数年前まではTwitterで検索をかけるという行為は嘲笑の対象でしかなかったが、時代も変わったなと思う。
ビンドゥンドゥンマスコット製造工場の映像見たら宇宙服の中に入れる工程が思ってたのと違った… pic.twitter.com/MFbXQbqG1d
— リュ-セイ (@d_RYUSEI_b) 2022年2月19日
最近だとタコピーがそうなんだけど、作品・作り手への信頼が高まりすぎた結果、ありとあらゆる描写から意味を見出そうとする(ありとあらゆる描写に意味があると思い込む)ファンが膨れ上がっていくの、結構な危うさがあると思う。
— on_nen (@on_nen) 2022年2月19日
正直なところ『タコピーの原罪』の作者をそこまで信頼しておらず、全てにおいて評価を保留している。ここ最近の展開は特に何がしたいのかよく分からなくなってきている
<#北京五輪>◇20日◇首都体育館◇エキシビション#羽生結弦#YuzuruHanyu
— 𝓕𝓲𝓰𝓾𝓻𝓮𝟹𝟼𝟻 (@figure365) 2022年2月20日
📸 撮影・垰建太#Figure365#フィギュア365#日刊スポーツ#北京2022 #beijing2022 #FigureSkating #フィギュアスケート pic.twitter.com/nWPDSzrhIj
突然ですがみなさん、「〇ヶ月」って「ヶ」で書きますか?「ヵ」で書きますか?
— anaguma (@anaguma_mm) 2022年2月20日
ヶ月って、ヶ?ヵ?
ヶ月、ヶ、ヵ
ヶ月ヶヵ
ヶヶ
月ヵ
筋
パワー
こんにゃくを食べ物と認めてない人にこんにゃくを何だと思ってるのか聞いたら「栄養なくてほぼ繊維しかないわけで、だからもうカテゴリーとしては雑貨っていうか」と言っていた
— Tatsuro Suzuki (@tatsuro_suzuk) 2022年2月20日
ビンドゥンドゥンガチ目に汚くて笑ってる pic.twitter.com/YKJIiM42T2
— 𝘼𝙎𝙄𝘼𝘽𝙊𝙔𝙎𝙇𝙊𝙑𝙀𝘿𝙍𝘼𝙂𝙊𝙉 (@asiabldragon) 2022年2月19日
聴いたもの
Dr. Dre, Snoop Dogg, Eminem, Mary J. Blige & Kendrick Lamar FULL Pepsi Super Bowl LVI Halftime Show
ウェッサイオールスターによるフットボールのハーフタイムショー(ハーフタイムショーって何?)。面子から想像される曲全部やるという感じで、豪華な分には嬉しいのだが、一方では新規なるもの、未知なるものがあったわけではなく、言ってしまえば伝統芸能だなと思った。
これに関しては私が過敏なだけとも思う。私は元々「今の音源より昔の音源の方がかっこいい」という思想に出自があり、2010年代はずっと~90年代の音楽ばかり聴いていた。そこから抜け出たのが大学三年生か四年生くらいの時なので、そこからまだ4~5年しか経っていない。今新しいリリースしか聴かないのはその反動のようなところがある。そういう経緯もあって、今20年前の音楽を聴いてはしゃぐことにはちょっと抵抗を感じている。また評価の確立した音楽しか聞かないという守りに入っていくような気がして。
藍月なくる - INTERNET OVERDOSE(cover)
最近の一押しの歌い手藍月なくるさんのINTERNET OVERDOSE。TRPGなどの演劇の経験が生かされた語りと愛らしい歌声が、原曲よりもインターネット・エンジェルの内面に迫ったパフォーマンスに仕上がっていて良かった。ところでこの声質で「躁鬱だけどまかせとけ!」って言うのはかなり"配信者"っぽくて好き。
Enna Alouette, Millie Parfait - アイデンティティ(cover)
にじさんじEN二人によるKanaria曲のカバー。リズムがタイトなヴァースと耽美的なコーラスでそれぞれ歌い方を変えていて、楽曲と声のアンサンブルをばっちり理解しているところが良かった。この曲に関してはこれ以上のカバーが出てきていない。
Ennaさんはこのカバーが良かった。本当にカタギか?
秋奈 - キャットラビング(cover)
電音部の黒鉄たま役の声優秋奈によるキャットラビングのカバー。特徴的な声質に加え、それを楽曲に馴染ませ、魅力的に聴かせるための歌い方をばっちり心得ていて、そのボーカルコントロールだけでもずっと聴いていられる。これを聴いたあとに以下に貼る『ヴィラン』や『踊』を聴き、歌声の滑らかなフロウや歌唱表現の引き出しの豊かさがあまりに圧倒的で、完全にこの人に落とされてしまった。
踊はかなり黒鉄たま寄り。
EMA - 匿名希望(cover)
EMAさんがインターネット上のアンチやデマに対して法的手段に訴えるとの声明を出してから公開されたカバー。メランコリックなトラップという数年前のスタイルにEMAが乗り、滑らかな声質で歌うことで2020年代の質感になるのが面白い。内容はインターネットに蔓延る匿名の批判への嘲笑で、声明をそのまま音にしたという感じ。特に言うこともなくかっこいい。
最近気がついたがEMAさんなりsekaiさんなりの匿名的なカリスマシンガーに対して自分はかなり冷淡だなと思う。各人の音楽性のカラーが一方向に固まっていて、聴く前から予想がついてしまうから、という部分が大きいので、個人的にはもう少しポップなメインストリームに振れるか、あるいはエレクトロニカやUKG系のアーティストと組んで声を素材として切り刻んだりして欲しいなと思っている。をとはさんのように。
Pavolia Reine - あの青空のせいだ / Love Me Love Me
ホロライブID(インドネシア)のPavolia Reineさんによる新EP。プロデュースは電音部への楽曲提供、MU2020やASOBINOTESなど各所で活躍するYUC'e。YUC'eのシグネチャーが感じられるのはポップな一曲目なのだが、二曲目のハードな"Love Me Love Me"がかなり好みだった。ドロップにおける「私しか要らない/君以外要らない」というスムースなメロディのリフレインの下でディストーションのかかったベース音がアラビア音階的な不気味さで蠢くのが脳に気持ちいい。
天宮こころ - きゅうくらりん(cover)
天宮こころさんによる初めての歌みた動画。この人は自分の中の「かわいい」という世界観を貫くことに全てを懸けていて、プロダクトの全てにその強い思想と努力が込められているのが好ましい人なのだが、この動画も例に違わずとても良かった。第一義的に「かわいい生き物」でありつつ、日頃見せない「哀」や「孤独」といったネガティブな感情を歌うという点で選曲はこれ以上ないくらいだし、歌唱それ自体も「声質で歌う」というものでなく、フレーズの一つ一つにまで天宮こころさんの発声、呼吸、発音の癖が行き渡っている。あくまでも「天宮こころ」という人物の日頃の魅力をぎゅっと濃縮しつつ、日頃見せない一面を見せることで新鮮な刺激もあるという理想的な音源に仕上がっていてとても良かった。
P丸様。 - ちきゅう大爆発
P丸様。が去年の12月に出していた新曲。ピノキオピー作詞作曲で、電波ソング的な詩世界と80年代テイストの牧歌的シンセに高速エレクトロを融合させた過積載なトラック。
これはリリースと同時にインストもTikTok用の短縮音源も出回っているのにどうして今までカバーが回ってこなかったのか、そもそもカバーが数えるほどしかないのか不思議に思っていたのだが、楽曲を聴いて「これはそもそもP丸様。以外の歌唱では楽曲が成り立たないな……」と合点が行った。
この歌を聴いたとき、歌唱の剛腕で楽曲を押さえこんで無理矢理にポップとして成立させている、という印象を強く受けた。ここでのP丸様。は音数の少ないトラックに歌唱一つでメリハリを付け、なおかつちゃんとグルーヴしていて、フレーズも一切縺れなければブレスや音程のブレといったような隙も一切ないという理解を超えた離れ業をこなしていて、何回聴いてもどうしてこんなことができるのだろう……と首を傾げてしまう。
あるいは、そうでもなければ"P丸様。"という存在が成り立たないという読みもできる。つまり、常人にはできない芸当を底抜けのポップネスとともにやってのけることで、自分を"人間"でなく"フィクションのキャラクター"に寄せていくというやり方。それはあまりに力技で、今の潮流に反した第一世代の「バーチャル」概念へのノスタルジックな夢だが、それゆえにとても眩しく感じられる。
猫又おかゆ - デタバレネコ
今日の猫又おかゆさんの誕生日ライブで発表されたオリジナル曲第二弾。おそらくはアルバムの先行公開曲。
ああ、僕は世界のどこかでこのままでさ
存在していいんだってことを、
感じさせてくれたのは、
君のそんな言葉だった気がするから。
ああ、僕は世界の誰からも愛される
存在にはなれなかったけど、
何者にもなれなかったけど、
君のとなりで笑っていたかったなあ。
猫又おかゆさんは幼少期の人間関係や家庭環境に恵まれなかった人で、その時の経験から自己評価や自己肯定感がほぼ完全に損なわれている(それゆえにホロライブのあざといような営業もASMRも平気でこなせる)人物なのだが、そういう人がこの歌詞を書き、ネガティブな内面を決してポップなものに落とし込まずに音楽の世界でさらけ出したということに深く感じ入ってしまう。ホロライブの初期寄りのメンバーから出てくる楽曲がここまでパーソナルになるとは思っていなかった。個人的にはとても嬉しい。
以下Bandcampより。
Jean-Michel Blais - aubades
カナダはケベックのモントリオール在住ピアニストによる室内楽作品。ビル・エヴァンスやキース・ジャレットといったジャズのリリシズムの系譜に久石譲的な柔和さを加えたような、センチメンタルながらも情景の浮かぶような楽曲が並ぶ。最近のお気に入り。
Ann Eysermans - For Trainspotters Only
最近の話題作[どこで?]。フィールドレコーディングにハープが乗っているというところで新規性があるのだが、ハープという楽器から想像されるような穏やかなサウンドはここには一切なく、エンジンの唸りめいた轟きや猛吹雪のようなノイズと、ハープの神秘的なフレーズがBen Frostの音楽のような凄絶な美を生んでいる。今年のベスト候補に入るであろう一枚。
J - my seat and weep
Huerco S.周辺の不穏なアンビエントシーンで台頭してきた(らしい)オーストラリアのレーベルDaisartから、レーベルオーナーJことJustin Cantrellのアルバム。エレクトロニカ的なカットアップの質感がありつつしっかりとアンビエントしている。このシーンの中では比較的に聴きやすい部類。
Robert Haigh - The Silence Of Ghosts
イギリスのエクスペリメンタル作家Robert Haighの2015年作。「息を呑むほど美しい」とはこのことで、聴きながら「こんなに美しいメロディがあるのか……」と驚嘆していた。まどマギのピアノなどを思い出す、ジャズでもクラシックでもなく、ポップな色もない、独特のイディオムを持つピアノ小品集。
underscores - fishmonger
TLで時々目にはしていたかわいいジャケットのアルバム。何かと思ったらHyperpopで、パワーポップにオートチューンボーカルが乗っかるのが凄まじい快楽性を生み出している。