できたこと
- ランニング
- ハンガーラックの交換
- 本棚の本を段ボールに詰める
- 空いたスペースに散らかしてた本を詰める
- 部屋掃除
- 夏服を出す
雑感
形容
『感受体のおどり』を読んでいて、「静かな机」という形容を見たときに受けた衝撃のことをまだ覚えている。机とは本来が静的なものであって、わざわざ「静かな」と付けることは重言であるように感じる。しかし、バックグラウンドを含めて考えると、この形容はとても切実なものである。
この作品の語り手は作家志望であるが、不安定な賃労働と日舞の稽古に忙殺され、一日のあいだで書くための時間がほとんど取れない日々を送っている。家に帰っても机に向かう間もなく明日の支度をして眠らなければならず、仕事場で一人になる時間など取れない、そうした暮らしは常に慌ただしく、作品制作のためには騒がしすぎる日々といえる。
そうしたバックグラウンドの上で「静かな机」という表現を改めて読むと、このシンプルな表現が鬱屈と切実な願望に基づいていることが強く伝わってくる。「静かな」という言葉は、単に机の状態を指すだけでなく、机が置かれている空間の静けさ、タスクのない穏やかな時間、そうしたものを暗に内包していることが理解できる。
机(とそれを取り巻く空間・時間)に「静けさ」というパラメータがあることが一度理解できれば、それを自分の生活に敷衍することも出来る。PCのディスプレイと雑多な紙やケーブルで埋まった机は「騒がしい」机である。もっと言えば、どちらを向いても物で埋まっているこの部屋自体が「騒がしい」部屋である。喫茶店に行っても静けさにはグラデーションがあり、静かであればあるほどくつろげる度合いは強くなる。
だから私は黒田夏子先生の言葉が好きなのだろう。黒田夏子先生の言葉は生活に深く浸透し、空間について、感覚について、新しい尺度をもたらしてくれるから。
読書
喫茶店で読書をして過ごした。このところずっと読書のためにまとまった時間を取れていなくて、どこかで書物の方に身を引き戻さないと本当に何も読まなくなるような気がしていたので、炎天の中で出かけても店に入ってしまえばあとはとてもくつろいだ時間だった。
伴名練『日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽』、ヴァージニア・ウルフ『波』の二冊を読み進めた。前者は『世にも奇妙な物語』のような読み味の奇想が効いた物語が連なっていて、not for meだな……となった。奇想系の作品が全然好きになれないのは、私が人間の感情にばかり関心があるからだろう。SFを読んでいてアイデアの面白さに喜ぶということが全然ない。その結果人間の感情が思いがけない方向に動くことが嬉しい。
巣
衣桁の服を片付けていたら服と服の間に何やら黒糖のような塊があり、なんだろうと手に取って興味本位で力を加えてみたところ、指の間でパンと軽い音を立てて砕けて、中に詰まっていた乾いた蛆が床に散らばった。虫の巣だった。
— 栞にフィットする角 (@__Blurry_) 2021年8月3日
この話である。話としてはこれだけなのだが、このあともう少しだけ考えていたら別の可能性が浮かんできた。蛆と書いたが服の間に巣を作ることなんてあるだろうか?この部屋にそんな数の成虫が出ただろうか?もっと別の何かではないか?
ここ数日で私の部屋に出た虫を思い返してみた。よくわからない羽虫、大き目の蛾、そして……アシナガバチ二匹。
アシナガバチの巣と考えて間違いなさそうだった。幼虫の形にしても、画像検索して出てきた巣の手触りと見た目にしても、それが一番説得力のある仮説といえる。窓が開いているにも関わらず部屋をでていかなかったのも、そもそも巣が私の部屋の中にあったからということだろう。ハチ本体は数日前に退治したのだが、もしあれが屋内にいて巣に触れたところを見られていたら……と思うとぞっとする。変なものにうかつに触るべきではない。というか虫が湧くような土地に住むべきではない。早く引っ越したい。蛾がいなくてハチがいない部屋に。
良いツイート
氷水とっても涼しいです!
— チキンラーメン ひよこちゃん (@nissin_hiyoko) 2021年7月31日
感覚もだんだんなくなってきました! pic.twitter.com/wmNl9lXSj9
【色が完璧】学者が海底で海綿動物とヒトデ発見 「スポンジボブとパトリック」と話題https://t.co/VUatAr6Cyw
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2021年8月3日
しかし、海洋生物学者は「ヒトデが海綿動物の隣にいるということは、これからこの海綿動物は食われることになる」と残酷な真実を明かしている。 pic.twitter.com/BaKwKARCaT
私はマツコのこの言葉が一番好き pic.twitter.com/K2QsVIwkSq
— ごんざぶろう (@gngnzbzb) 2021年8月2日
私がエミューちゃんに似てきた、突然走り出すなど動きが唐突だし、感情の動きがわかりやすすぎるという指摘をいろんな人から受けている。このままいくと私は、数分前の出来事を記憶できず、朝になれば走り回り、他人の眼球をつつき、生まれて初めて目に映った人だけを盲目的に愛し続ける人間になる
— 砂漠 (@eli_elilema) 2021年8月2日
アフリカに住んでいたとき、イレズミ(瘢痕文身)の無いぼくの裸体は、非文化的、すなわち野蛮なからだと見做された。身体加工は、高貴さや、名誉、そしてなによりも文化的存在であることを表す。これは欧州近代社会における「着衣」に相当するもので、ゆえにイレズミの無いからだは、猥褻でもあった。
— 中島 智 (@nakashima001) 2021年7月28日
#tanka pic.twitter.com/jpMjqBoPqu
— まほぴ (@mhpokmt) 2021年7月28日
— けん (@nomorehole2) 2021年7月29日
恥ずかしながら、俵万智の『サラダ記念日』を今さっき初めて読んでたんですけど、あとがきに”私はまだ舞台の上”、”幕はおりていないのだ”、”生きることがうたうことだから。うたうことが生きることだから。”と書いてあって、まさか俵万智も舞台少女だったとは思わなかった pic.twitter.com/fWfRQb2ZdK
— ほどほどインタ────ネット (@meganedesk) 2021年8月1日
むちゃくちゃで草 pic.twitter.com/qAzdnzaq9O
— わし(きむ) (@washi_KU) 2021年8月2日
最近は「メガネを外したら美少女になる」という夢に向かって走っています pic.twitter.com/YLS7a6IB0y
— 藤原 麻里菜 | Marina Fujiwara (@togenkyoo) 2021年8月3日
— No Context Humans (@HumansNoContext) 2021年8月2日
聴いたもの
花譜 - 風をあつめて(cover)
はっぴいえんどの名曲のカバー。花譜さんの趣味が70年代にまで伸びているのが意外な感じがする。バックトラックでファズギターまで再現しているところが良い。
原曲のバージョンはボーカルの朴訥とした歌声やオルガンのほのかなフレーバーもあいまってややソウル寄りの、アーシーな雰囲気があったが、こちらのバージョンではハモンドオルガンの音色の主張が強く、アコギの高音が強調されていることもあって、バックトラックからして"エモーショナル"なディレクションがされていることが分かる。花譜さんの歌い方も音の処理にグリッサンドを多用したり、微分音的な音程を導入したりとボーカリゼーションによって調子をつけている。個人的にそういう歌い方は安易に感じて好みではないが……。
米津玄師 - 海の幽霊(hirihiri remix)
Hyperpopアーティストhirihiriによるリミックス。サビでの滝のような轟音シンセで思わず叫び出してしまうところだった。ボーカルを破壊的に加工してシンセの音だけで押し切ってしまうところがGenZ・イノタクあたりの感性と近いように感じる。
ダズビー - ゴーゴー幽霊船 (米津玄師) acoustic arrange ver.
DUSTCELLのリスナーはこちらも聴いていますとサジェストされたのでエスコートに応じた。Billie Eilishのようなボーカルの定位に、ボーカロイドなみに安定したファルセットで力強く歌う、といういかにもポストインターネットなスタイル。一音一音がしっとりしており、バックトラックのリズムに対して歌がややもたっているところに人間的な魅力がある(ここでディラを持ち出すのはたぶん違うだろう)。
Manga Saint Hilare - NRG ft. Ikhana
TwitterでScratcha DVAからシェアされてきた曲。ストレートなUKグライムでかっこいい。
(((さらうんど))) - Soap Opera
イルリメこと鴨田潤(Vo,Gt)、Traks BoysのXTAL(Track Maker)、Kenya Koarata(PC,Drum Machine)の3人により結成されたポップスバンド。
なんとなく聞いたことのある面々によるポップスバンド、その新曲。音頭というか民謡というか、日本の原風景的なフレーバーを残した電気グルーヴといった感じの音。バックトラックの90'sハウスとアシッドを合わせて10'sテクノにした感じがボーカルと合ってるのか合ってないのかといった塩梅で面白い。
紫咲シオン - 踊(cover)
ホロライブメンバーによる踊のカバー。特に期待もせずなんとなく開いたのだが、自身のキャラクター性から歌い出されてくるものと楽曲の要求する要素が自然に融合していて舌を巻いた。出来ないことはやらない、出来るところは満点を出す、そういった切り分けがばっちり出来ているところに好感が持てる。パフォーマンスとしての総合点で言えば今のところ一番のカバーではないだろうか。